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猫の看護士
第二章

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「ニャア」
「ニャ〜〜〜ン」
 オリバー、尻尾を切断する位の大怪我をした茶色と白の雄の子猫が手術を終えて回復し退院してから飼い主のところに戻るまでだった。
 寄り添って一緒に寝た、そうして彼の心を癒し。
「ニャオン」
「ワンッ」
 熱中症で運び込まれた黒の雌のチワワのミリーの傍にいて退院するまで寄り添って怪我をした野生の雄の鴨のヘンリーが手当てを受けている間もだった。
「ニャッ」
「ガッ」
 やはり傍にいて寄り添った、その目は優しく物腰も穏やかで。
 優しさに満ちていた、それでだった。
 レイチェルはその彼を見て若い女性の看護師に話した。
「ずっとね」
「この病院にいて欲しいですね」
「ええ、里親を探そうと思っていたけれど」
 それでもというのだ。
「あそこまで立派な看護師だとね」
「もうですね」
「ずっとね」
「この病院にいて」
「皆を癒していって欲しいわ」
「そうですね、こんな立派な子いないですね」
「人間でもね」
 今は鴨のヘンリーに寄り添っている彼を見つつ言った。
「いないわ」
「そうですね、そう思うと私達も負けていられないわね」
「だからこれからもね」
「沢山の生きものを助けていきますね」
「フェルギュスと一緒にね」
「そうしていきましょう」
 こう話してそうしてだった。
 人間のスタッフ達も頑張った、フェルギュスを見て。心優しい猫の看護師に負けていられないと思ってそうしていった。


猫の看護師   完


              2021・5・22
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