136 政府、命懸けの取引
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・」
首相は頷くしか選択肢がないと察した。
「分かった、お望み通り明日から改正にする・・・」
「ありがとうございます。もしこの約束を破った場合、どうなるか分かっておりますね?」
「あ、ああ・・・」
「では、この政治委員の足立正生と吉村和江に同行させて頂きましょう」
(なぬ!?)
首相も、官僚も驚いた。これでは本当に全国民の前で交戦権復活の宣言をする羽目となる。
「宜しいですね?」
房子はやや高圧的な態度で確認した。
「ああ」
対して首相は反対できずに承認してしまった。
「では、ありがとうございます。正生、和江、お供しなさい」
「はい」
「それでは、こちらは頂きます。では修、認識術を」
「了解」
丸岡は認識術で房子と自身を、そして吉村と足立も別人の顔にした。
「では、御機嫌よう、首相」
房子は丸岡と共に会議室を出た。
(この、赤軍め・・・。覚えてろよ・・・!!)
首相は取引には成功したものの監視役を付けられて心の中でイライラした。
「では、首相、お願いがあります」
足立が言葉を発する。
「NHK、民放問わず各放送や様々な新聞、雑誌記事を集めて会見をお願いしますよ。戦争を再び復活させるとね」
「う・・・、分かった」
その頃、かよ子達の通う小学校の3年4組の教室。クラスは寂しく感じていた。何しろ7名もの欠席が出ている。それも6名は異世界の戦いに身を投じているためであり、残りの一1名はクリスマス・イブの夕方から行方不明となっているのである。
「たまちゃん、まるちゃんやかよちゃん達、行っちゃったね」
「うん、そうだね。私、まるちゃん達が心配だよ・・・」
とし子やたまえはそのような会話をしていた。
(まるちゃんやかよちゃん、おっちょこちょいするから心配だな・・・。私も行きたかったけど・・・)
たまえは隣のいない親友の机を見て不安に思う。たまえは異能の能力を宿しておらず、敵に対抗する武器も持っていない為に異世界からの召集令状を受け取っていない。その為同行する事はできなかったのだ。
(まるちゃん、どうか無事でいて・・・!!)
たまえは皆の無事を切実に願った。その一方、笹山はクリスマス・イブの日から行方不明になっている男子の事が未だ心配だった。
(藤木君、早く戻ってきて・・・!!)
近所の女子高生やニュースから藤木が異世界に連れて行かれたと聞く。彼の安否が一刻でも早く明確になって欲しかった。そして野良犬に襲われそうになった時、彼がかよ子を見捨てて逃げた事も許してあげたく、かつその時以降邪険な態度を取った事も謝りたい一心だった。その時、戸川先生が入って来た。
「おはようございます。皆さん、席に着いてください」
戸川先生の言葉で皆は着席した。
「本日から暫く、大野君
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ