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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
継ぎ接ぎの絵描きと兄妹になる話
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過呼吸になりかけ、震えた声で話す彼女を落ち着けるにはどうしたらいいか、
カンタンだ。
「舞…様?」
「嫌なんて…思ってないよ。」
それを受け止める。
まさに兄妹のように優しく、抱きしめてあげることだ。
会って間もないのに、抱きつくだなんてセクハラに近いのでは?
そう思ったけど、僕の身体は無意識に動いて、そんなゴッホちゃんを落ち着けるべく抱き締めたんだ。
「で、ですが…。」
「出会って間もないけど僕、ゴッホちゃんに”お兄様”って呼ばれてすごく嬉しかった。」
「え…。」
「それにね、僕もなんか…ゴッホちゃんが妹みたいに思えてきてさ。」
「ゴッホが…舞様の?」
一度離れ、彼女の小さな肩に両手を置く。
「だからさ…どうかな?」
「…何が、でしょうか?」
「こうして会ったのも何かの縁。僕達、”兄妹”にならない?」
目を見開き、有り得ないものを見たような驚愕の表情を浮かべたゴッホ。
震える顔、そして目からは溜まった涙がぽろぽろとこぼれ、
「ゴッホなんかで…いいんですか?」
「自分を下卑しないで。ゴッホちゃんはきっと、もっとすごいサーヴァントなんだから。」
「舞様…」
「なぁに?ゴッホちゃん。」
そうして、僕とゴッホちゃんは兄妹としての契りを結んだ。
かつて弟だった僕は”兄”となり、
かつて兄だった彼女は”妹”となった。
なんともおかしな関係で、なんとも奇妙な縁。
それでも、僕達は立派な兄妹だ。
「だとしたらこれからは…わたしは、舞様をお兄様と呼んでも?」
「うん。いいよ。」
僕が兄、ゴッホちゃんが妹。
彼女が僕をお兄様と呼び、多少震え声だけどえへへと笑ってみせる。
「ゴッホちゃん。」
「な、なんでしょうお兄様…。」
スケッチブックを一旦地面に置き、妹となった彼女を優しく抱きしめる。
小さくて、細くて、少しでも力を入れたら壊れてしまいそうな繊細な身体。
抱き上げるとびっくりするくらい軽くて、またご飯を作ってあげようと思えた。
「これからよろしくね。」
「はい…こちらこそ、喜んで。」
彼女の不器用な笑み。
僕にとってそれは、とてもかけがえのないもので、とても可愛く見えた。
のどかな場所で、気ままに過ごす。
僕の思い描いていた理想の生活はここに実現し、時間いっぱいまで毎日ゴッホちゃんと楽しんだ。
一緒にご飯を食べたり、夢の中なのにお昼寝したり、変わらないひまわり畑の中を一緒に散歩したり、
長い間一緒にいたわけじゃないのに、何故か彼女から感じる親近感。
いるはずのない妹が出来たみたいで、とても楽しく感じられた。
?
場所は変わり、葛城財団本部。
「で、状況は?」
「はい、マスター様…無事に彼の夢
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