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夢幻水滸伝
第百九十八話 先んじればその十一

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「経済力や技術力は兎も角としてな」
「人口では」
「あっちの方が圧倒的やからな」
「五百万位と二千三百万では」
「話にならん、しかしな」
「今はですね」
「国家連合になって国土は分かれてるが七千万以上の人口を擁してて」 
 そしてというのだ。
「その兵力も多い」
「マレーシアの兵力は十万程です」
 ティンはまず今回の敵である彼等の話をした。
「そして我々はです」
「三十五万は動員出来る」
「タイやベトナムに対する国境の備えは必要ですが」
「幾ら各国が今は内に目がいっていても備えは欠かせんしな」
「はい、ですからそれは必要ですが」
「それでも普通に二十万の兵は動かせますね」
「マレーシアの倍以上の兵をな」 
 リーはこのことを話した。
「それでや」
「その二十万以上の兵をどう動かすか」
「それや、二十万以上の兵でも分散させてるとな」
「意味がないですね」
「集結させる必要がある」
「そうですね、ですが」
 ティンは難しい顔で述べた。
「今の我々は国土が分散されています」
「飛び地ばっかりでな」
「シンガポール、ミャンマー、ブルネイ、カンボジア、ラオスとありますが」
「つながってるのはカンボジアとラオスだけでな」
「他の国々は分かれていて」
「兵の集結は難しい」
「左様ですね」
 リーに難しい顔で述べた。
「今は」
「そこをどうするかがな」
「問題ですね」
「術を使う」
 リーは即座に答えた。
「そして道具もな」
「瞬時に移動出来るそれも」
「その二つをフルに使って」
 そのうえでというのだ。
「兵を集めたいが。どう考えてもな」
「移動の術を何度も自由に使えるとなると」
 アルフィアンも難しい顔であった。
「流石に」
「少ないな」
「そうした道具も高価で」
「何十万もの兵を一度に動かそうと思ったらな」
「莫大な予算がかかります」
「そやから現実でないな」
「はい」
 どうしてもとだ、リーに話した。
「これが数人なら兎も角」
「そうなるな」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「それはです」
「私も考えたけどな」
「無理とですね」
「結論が出た」
「やはりそうですね」
「ほなここはな」
「はい、普通に攻めるしかないですね」
「シンガポールとブルネイから攻める」
 リーはあらためてマレーシアとの戦略を話した。
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