第二章
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それでミスキティーのところに行くとだった。
「クゥ〜〜〜ン」
「クンクン」
「クゥン」
「クゥンクゥン」
「クゥ〜〜ン」
五匹の子犬達は無事だった、そして。
ミスキティーは彼等を自分の腹のところに置いてじっと見守っていた、それは完全に母親のものだった。
その様子を見てだ、夫は妻に言った。
「スムーチーがああだからな」
「子育てしないから」
「精々お乳をあげる位でな」
「だからなのね」
「ミスキティーが親になってくれる」
「そうなってくれるのね」
「そうだな、じゃあな」
それならとだ、夫は妻に提案した。
「これからはミスキティーをな」
「家族に迎えるのね」
「そうしようか」
こう言うのだった。
「この子達を育ててくれようっていうんだな」
「そうね、じゃあね」
「これからはミスキティーは僕達の家族だ」
夫が言ってだった、そのうえで。
ミスキティーは家族に迎えられて子犬達は家に戻された、すると。
「ニャンニャン」
「クゥン」
ミスキティーはスムーチーに対してだった。
猫の言葉で説教をした、唯一の友人に強く言われてだった。
スムーチーも項垂れて反省した、そして。
以後子犬達を攻撃的な目で見て育児放棄は止めた、それどころかミスキティーと共に彼等を育てだした。
子育てをする犬と猫を見てだ、夫は妻に言った。
「猫と犬でも」
「それでもよね」
「愛情があるんだな」
「見ていられなくて」
そしてとだ、妻も言った。
「自分が育てるってなってね」
「それで実際にそうしようとしたから」
「ミスキティーは立派だよ」
「そしてそのミスキティーに言われてね」
「スムーチーも態度をあらためたし」
「よかったよ、じゃあこれからも」
是非にとだ、夫は妻に話した。
「ミスキティーは家にいて」
「そしてよね」
「スムーチーとも子犬達とも一緒で」
「それでね」
「僕達とも一緒だよ」
「そうね」
「これでね」
夫婦で話した、そしてだった。
二人はスムーチーと子犬達それにミスキティーを撫でた、すると。
彼等は嬉しそうに尻尾を振って喉を鳴らした、もうそこには悩みはなかった。安らかなものがあった。
子犬達を連れ去って 完
２０２１・５・２１
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