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優しいライオンとお爺さんの絆
第一章

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                優しいライオンとお爺さんの絆
 南アフリカの老人フリッキー=フォン=ソルムズ白髪交じりの黒髪で黒い目に眼鏡をかけた彼は難しい顔で周りに話した、背は一七九程でもう老人と言っていい年齢だが背筋も歩き方もしっかりとしている。
「これはね」
「放っておけないですね」
「この子は」
「ライオンは群れを持ったら前の雄の子供は殺すんだ」
 これはライオンの習性の一つである。
「だからね」
「この子もですね」
「殺されかねないですね」
「ザイオンといったね」
 その雄の子供のライオンを見つつ名前を問うた。
「この子は僕が引き取るよ」
「そうしてくれますか」
「そして育ててくれますか」
「そうしてくれますか」
「殺されるの可哀想だしライオンも絶滅が心配されているから」
 それでというのだ。
「保護も兼ねてね」
「ではお願いします」
「そうして下さい」
「この子を助けてくれるなら」
「そうするよ」
 こう答えてだった。
 ソルムズはザイオンを引き取った、そうしてだった、
 彼を自分が運営している保護センターに入れて一緒に暮らしはじめた、そこには他の生きもの達もいて。
 ザイオンは彼等と共に暮らしはじめた、まだ幼かったが。
 ソルムズは彼を親となって育てた、いつも傍にいてだった。
 ミルクや食事を与え躾もした、すると。
「ガウ」
「凄く懐いていますね」
「ザイオンはソルムズさんを親と思ってますね」
「完全にそうですね」
「ものごころ着く前に引き取ってね」
 そうしてというのだ。
「一緒にいるからね」
「だからですね」
「もう完全にですね」
「ザイオンはソルムズさんに懐いて」
「親と思っていますね」
「そうだね」
 ソルムズは笑顔で応えた。
「じゃあそれに応えるよ」
「あの、ですが」
 ここでこうした意見も出た。
「ライオンですからね」
「伊達に百獣の王って言われてますから」
「気をつけないといけませんよ」
「危ないですよ」
「噛まれたり襲われたら」
「どうなるか」
「いや、大丈夫だよ」 
 ソルムズは心配する周りに笑顔で応えた。
「ちゃんと餌付けしていて野生で育てていないからね」
「だからですか」
「大丈夫ですか」
「襲われたりしないですか」
「躾けてもいるしね」
 誰かを襲ったりしない様にというのだ。
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