迷宮区に潜りました
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「何?」
「はじまりの街で借りてる倉庫の管理権も共有して置く、中に置いてある素材やアイテム、金も好きに使え」
「…………あたしが持ち逃げしたらどうする心算よ?」
「悪い女に引っかかったと諦めるさ」
「――――馬鹿じゃないの?」
「良く知ってるよ、装備の強化、よろしく頼んだぞ」
「本当に馬鹿ね」
アルゴの道案内で迷宮区の入り口に入る。
暫く進むと巨大な扉とパズルの様な模様が掘られていた。
「…………ほとんどのプレイヤーがこの暗号を解けずに投げ出したんダ、とあるNPCからヒントを貰えば――――簡単に解ける」
「間違えたらどうなってたんだ?」
「街から反対方向の森に放り出されル、ミスする度に倍の距離を歩かされるんダ、モンスターも出るシ、プレイヤーが心を折るのは早かっタ」
「…………ご愁傷様」
扉が開かれると六つの転移門がある部屋に入った。
赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、青、それぞれの門には色違いの紋章が飾られている。
「さて、何処へ行ク?」
「――――緑だ」
「ふム、まだ誰も進んだ事の無い道だな、行って見るカ」
緑の転移門を潜ると森の中だった――――辺りを見回しても緑の転移門があるだけで、後は全部森だ。
「何だ? ハズレだったのか?」
「いヤ、大当たりダ、緑の転移門には誰も通った後が無かった、だガ――――」
いきなりアルゴが走り始める――――森の奥へ迷い無く、まるで道筋が見えている様に。
「お前のそれ、追跡スキルか? 誰か知り合いが先に進んでるのか?」
「そんな所ダ」
俺も追跡スキルを使って足跡を探す――――足跡は一つだけ?
急いでアルゴの後を追うと、また迷宮区の入り口が見えた、形は同じだがさっきとは紋章の色も場所も全然違う。
「コッチが本物の入り口なのか?」
「さて、入って見ないと判らないナ」
「モンスターが全然出ませんね」
「たぶん、先行した奴が狩り尽してるんだろう、帰り道はリポップに気を付けろよ?」
追跡スキルが有効って事は、先行している奴は短時間でモンスターを狩って先に進んでいる。
攻撃力が半端じゃない、レベルは間違いなく俺よりも上だな――――ビーターだな。
「――――待テ」
入り口の前でアルゴが立ち止まる。
「どうした?」
「一度中に入っテ――――出てきた所で足跡が途切れていル」
「…………中を確認してから転移したって事か?」
「あぁ、その様ダ、どうやら入れ違いだったようだナ」
入り口を潜ると、一本道に赤い絨毯――――そして、巨大な扉。
「――――罠だろ?」
「…………案外当たりかも知れんゾ? 最初に赤の転移門を潜った時は
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