十八話 僕等の過去@
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んた達なんかにこの武器を渡さなきゃいけないのよ……!」
突っかかろうとしたその時、
「駄目だよ、ビターちゃん」
すっと腕が伸び、アオさんがあたしを庇うようにして前へ出た。
「このままだと、二人とも死ぬ。ボクが時間を稼ぐから、ビターちゃんは逃げて」
小声でそう言う。
「で、でも!」
「いいから。……皆にごめんって言っといて」
その背中は振り返らない。
でも、
「あたしだって、戦えます」
「……君は足手まといだ」
アオさんは冷酷に冷静にそう言う。
ああ、この人はあたしを逃がすために……
だって、アオさん少し震えていたんですもの。
「お願い。逃げて」
そう言うアオさんにあたしは
「……絶対に生きて戻ってきてくださいよ」
「ハハハ、ちょっと無理かもね」
それだけ聞くとあたしは回れ右して全力で走った。
Sideロア
「「「「「「おかえり〜」」」」」」」
「……ただいま、です……」
ようやく新入りの子こと、ビターとアオが返って来たと思った。
………けど、僕等の団長の姿はビターの隣にはいなかった。
「……アオちゃんは?」
嫌な予感がしているとさっき言っていたアクがビターに聞く。
すると、ビターはぽろぽろと涙を流して、頭を横に振った。
「アオさんは……アオさん、は……!」
ついに泣き崩れてしまったビターから僕たちは何かを察して皆俯いた。
ビターを椅子に座らせて、落ち着かせてから話を聞いた。
ぽつり、ぽつりとビターからアオが今、どんな状況にあるのかを聞かされていた。
「ア、オさんは……アオさんは、戻ってきますよ……ね?」
皆、そのことを信じてアオの帰りを待った。
アオが居なくなってから二日_______
メンバーの一人が命の石碑を見て、ギルドに返って来た。
その力ない様子を見て、メンバーは一斉に泣き崩れた。
僕も、アクも、大声で泣いた。
滅茶苦茶な人だったけど、いつでも僕たちのことを見守っていてくれる最強で最高のリーダーだった。
絶対的リーダーがいなくなって、《蒼穹の騎士団》は自然消滅した。
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