十八話 僕等の過去@
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うのかな。アオ自身が認めた人でないと入ることが出来ないけど、最強の集団ではあった。
そんな七月のある日の事だった。
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「よし、じゃあ行ってくるね〜」
「い、行ってきます」
「「「「「「いってらっしゃーい」」」」」」
アオともう一人、最近入った女の子のプレイヤーは僕の誕生日の一週間ほど前に武器の素材集めで四十五階層に行った。
ここからは、僕ではなく、その最近入った女の子から聞いた話だ。
Side.ビター
「く、暗くないですか?アオさん」
「ん?もう怖気づいちゃった?ビターちゃん」
ニヤニヤと笑いながら歩くアオさんはあたしにとっては憧れだった。
ようやく《蒼穹の騎士団》に入れることになって、嬉しかった。兄さんにも報告に行った。本当に幸せの絶好調だった。アオさんが私に厳しく指導してくれるのが、憧れの人が私を強くさせてくれるのが嬉しかった。
あいつらが来るまでは。
目に見えない程の斬撃が急にあたしたちを襲った。
「下がれ!」
アオさんが片手剣で斬撃を受け止める。
月明かりに照らされて、斬撃を放った本人が分かる。
斬撃を放った正体が分かったとたん、あたしは息を呑んだ。
「……PoH(プー)……」
そこにいたのはレッドギルド《ラフィン・コフィン》のリーダー、PoHだった。
あたしが怖気づいているのが分かると、PoHはニタニタと笑う。
「Who,本当に『蒼月の英雄』様がいるとはね。ま、今日はお連れのレア武器とあんたを狩りに来たんだがな」
「……はっ、お前一人だけでボクが簡単に負けるとでも思うのか?」
「いや。だが、俺ら三人とお前ら二人じゃあどっちが勝つか。目に見えているよなぁ」
そう言ってPoHはパチンと指を鳴らすと、後二人が出て来た。
「嘘……」
「ハハハ……」
あたしは息を呑んで、アオさんは乾いた笑みを浮かべた。
残り二人……《ラフィン・コフィン》の幹部、赤目のザザとジョニー・ブラック。
ラフコフのトップスリーだ。
「……そうしてまでもビターちゃんのレア武器が欲しいのか」
アオさんが呟く。
今日、ここに来たのはアオさんの指導ともう一つ、あたしの武器の素材集めだった。
あたしの武器は刀。それも、SSRぐらいのレア度を勝る日本刀。
『天叢雲剣』。日本の神話でヤマトタケルノミコトが使っていた剣。
あたしは、誰にも見つけられないようなクエストをクリアし、大和の大蛇からこの刀を授かった。『天叢雲剣』を授かった者だけにやどるエクストラスキル《大和の巫女》。
その他にもスキルが上がり、ステータスも上がるアイテムなども入ってくる。
だから『天叢雲剣』を狙うプレイヤーも多い。
だからって……
「なんで、あ
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