第一章
[2]次話
醜い者同士でも
アメリカニューヨーク州のあるマンションの庭にだった。
アグリーはよくいた、片目片耳で身体中が酷く汚れていて皮膚病であちこち毛がなくなっていて爛れていて足も悪い。性別は雄というのはわかった。
かなり酷い外見でマンションや周りの住人達からは嫌われていて。
「あっち行け」
「邪魔だよ」
「汚い奴だ」
「こっち来るな」
「ニャ〜〜〜・・・・・・」
いつも邪険にされて蹴られ石を投げられ水をかけられてた、そうして。
追い回されいじめられていた、だが。
人懐っこく他の猫達にも親し気に近寄った、しかし。
いつも人に邪険にされ他の猫達にも追っ払われた、ゴミ漁りが好きでよくゴミ捨て場にいてゴミを漁り食べものを探して食べてもいた。
ゴミの中に入るので余計に汚くなった、それで尚更だった。
マンションや周りの人に嫌われた、だがそれでも人が来ると親し気に近寄る。そうしてアグリーは生きていた。
「あいつ何とかならないのか」
「本当に汚い子」
「早くいなくなればいいのに」
「死ねばいいのに」
アグリー、醜いという名前もその外見からだった。兎に角だ。
嫌われている猫だった、犬にも吠えられ烏にも睨まれ。
誰もアグリーに優しくしなかった、だが。
ある日この辺りに引っ越してきたボブ=オミットという男がアグリーを見てマンションの住人達に聞いた。
「あの猫野良ですか?」
「ああ、そうだよ」
「あんな汚い奴誰が飼うんだ」
「この辺りの邪魔者だよ」
「そうですか」
ボブは彼等の言葉を聞いて頷いた、見れば。
背は一六〇なく肌は黒ずんでいて目は異様に吊り上がり鼻はひしゃげている。脂肪が腹まで垂れさがり髪の毛はつむじのところまで禿げ上がっている、分厚い唇からは黄ばんだ歯が出ていてやたらと脂汗をかいている。
しかも異様に毛深い、それでだった。
彼が去ったのを見てからマンションの住人達は眉を顰めさせて話した。
「不細工だな」
「あんな不細工な奴はじめて見た」
「一体何処に暮らしているんだ」
「この辺りの近所らしいが」
「あんな不細工な奴と付き合いたくないな」
「全くだ」
彼についてこう話した、その外見から付き合いたくないと心から思った、だがその彼は次の日だった。
「ニャ〜〜〜」
「よかったらうちに来るかい?」
自分のところに来たアグリーにこう言ってだった。
彼を連れて帰った、そして獣医に診せてから。
皮膚病やその他に患っていた病気に怪我を治療してもらった、治療費はぽんと出し。
それからだ、飼いはじめたが。
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