暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga24-A真実を越えた先にて待つもの〜Before the final stage〜
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い。しかし、リアンシェルトをこの手で救わなければ、あの子はこの先どうなる。自壊も自傷も出来ず、俺がこの世界からいなくなった後も独りで存在し続けるのか・・・。

「(そうか。結局、結末は変わらないのか・・・)なぁ、リアンシェルト」

「はい」

「俺は・・・やはり、お前を破壊しなければならないのか?」

「はい。それは絶対です。堕天使戦争において、お父様の勝利条件はただ1つ。私たちエグリゴリを殲滅することです。正直な話、お父様はガーデンベルグと神器ユルソーンを破壊すればいいだけです。ですが、そうなったら私はどうしたらいいのです? お父様がテスタメント、神意の玉座から解放されたとき、お父様がいつの時代で復活するか判りません。そうしたら私は、お父様のいない何百、何千という時間を独りで過ごさなければなりません」

それは前々から俺も考えてはいた。ガーデンベルグの“ユルソーン”に貫かれ、不死と不治の呪いを受け、フェンリルによって時間凍結封印を受けた6千年以上前のアースガルドに戻るのか。それとも、この時代のアースガルドで復活するのか。可能性としては、“テスタメント”になった時点まで戻る――前者だ。過去に戻ったら、記憶、堕天使戦争などなど、俺自身どうなるのかも判らない。不確定要素が多すぎるため、リアンシェルトを生き残らせる選択肢は始めから・・・無かったんだ。

「判った。先に逝ったバンヘルド、グランフェリア、シュヴァリエル、レーゼフェア、フィヨルツェン達に・・・よろしくな、リアンシェルト」

「お父様、ありがとうございます」

そう言ってリアンシェルトは十字架の姿勢に戻り、静かに目を閉じた。俺は「アイリ、ユニゾンを」と伝え、アイリと再びユニゾンを果たす。

「アイリ。氷神裁く絶対なる術法(エグリマティアス・エクテレスィ)の発動を。アレには私の術式の無力化はもちろん、魔力炉(システム)の出力や神秘の強制低下という効果があるの。これなら弱体化なさっているお父様でも、私にトドメを刺すことが可能。・・・ですが、パイモン。念のために私を抑えつけておいて。お父様の攻撃に反応して迎撃してしまうから」

「了解です〜。・・・リアンシェルト様、長い間お疲れさまでした〜」

――フェアボート・ヴィーダーシュタント――

紅碧色の魔力で作られた5本のリボンがリアンシェルトの四肢と腰に巻き付き、地面に拘束した。俺ではなくミミルからの魔術なためか、あの子は迎撃行動に出ることはなかった。

「アイリ、頼む」

『ヤヴォール。氷神裁く絶対なる術法(エグリマティアス・エクテレスィ)

対リアンシェルトという術式が発動されると、リアンシェルトから魔力や神秘が急速に失われていくのが判る。確かに、これなら今の俺でも問題なくあの子にトドメを刺す
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