暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga24-A真実を越えた先にて待つもの〜Before the final stage〜
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ンシェルトの最期というタイミングには感謝だ。

「(この子たちの決意をふいにしたくはないが・・・)リアンシェルト」

「なにか?」

「思い出したよ。お前たちエグリゴリが、すでに記憶を取り戻していることを」

「っ!!」

大きく目を見開いたリアンシェルトの様子からして、俺がマリアに封印された記憶を取り戻すことは予定になかったようだ。さらに「そんな・・・! どうしてお父様の記憶が元に・・・!?」と、誤魔化すことはせずにサラッと演技をやめてくれた。嬉しい話だ。そうだの違うだのと押し問答はしたくないからな。

「推測になるが、お前の創世結界がヴァルハラを侵食した際、そのダメージが俺の体を構築している魔力にまで影響を及ぼした。その際、封印に綻びが生まれたんだろうな。アイリの機転で体の崩壊は免れたわけだが、封印までは元に戻らなかった、と言ったところだろう」

何の根拠もない推測だが、理由なんてどうだっていい。今はただ、リアンシェルトを敵としてではなく、娘として送ることが大事だ。“エヴェストルム”の柄を握っていた左手で、あの子の右手を握った。

「・・・お父様?」

「すまない。俺は親だというのに、お前たちを苦しめてばかりだ。今もこうして・・・」

リアンシェルトの瞳から溢れ流れる涙を右手で拭い去ると、あの子は「あぅ」と顔を真っ赤にして、左袖で目をゴシゴシと拭った。そして「泣いてるところ、見ないでください」と顔を逸らした。そんな恥ずかしがることないだろうに。

「馬鹿だな・・・」

そう言いながらリアンシェルトの頭をそっと優しく撫でる。ますますあの子の頬や耳が赤くなっていく。あの子は「も、もう結構ですから・・・」と困り気味に言うものだから、俺は仕方なく頭から手を離した。

「コホン! えっと、お父様。今後のことですが、私に考えがあります。本当なら私が破壊された後で、パイモンから伝えるように計画していたのですが、こうなっては少しでもお父様とお話がしたいので私がお伝えします」

リアンシェルトが語ってくれた話は、本当に昔から俺のために考え、行動していてくれたことが判る内容だった。今回の闘いで、俺の体に致命レベルの異常が発生する可能性があったとして俺の影武者――クローンを生み出していたこともそうだが、アイリが始めから俺専用の、ユニゾン可能な新世代“ヴァルキリー”として開発されていたこと。次に境界門が開くまでの約4年間、俺の体を保持や、ガーデンベルグとの闘いに必要な魔力を次元世界のあらゆる場所から回収する組織、“T.C.”(Testament Cancellerの略とのことだ)の考案などなど・・・。

(そんな頑張り続けてくれていたこの子を、このまま本当に破壊していいのだろうか? 否、そんなのは許されない、許したくな
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