暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga24-A真実を越えた先にて待つもの〜Before the final stage〜
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長く待たされる。・・・4年、4年・・・ちくしょう。4年も俺の体がもつとは思えない・・・」
すでに崩壊が始まりかけているこの魔力で出来た肉体は、もう1年後には完全に朽ちているに違いない。だから「他に方法は?」と問うと、「・・・ありません。4年は待ってもらいます」という、無慈悲な返答が。片膝立ちだった俺は尻を地に付き、胡坐をかいてガクッと項垂れた。ここまで来て、俺は・・・終わりなのか。
「その辺りの問題は、彼女が解決してくれます」
仰向けのまま、俺たちから視線を変更したリアンシェルトにつられ、俺もそちらへと目を向ける。そこに居たのは、存在を忘れていた「パイモン、フラメル、ルルス」の新世代“エグリゴリ”3機だ。パイモン達は小さく一礼してから、こちらに歩み寄ってきた。
『アイリ。あの3機の魔術は無力化できるか?』
『ううん、出来ない。アイリの魔術は・・・対氷雪系限定みたいだから。だけどね、マイスター。もう、戦いは終わってるの。だから安心してね』
「『・・・そうか・・・』随分と親切にしてくれるんだな、エグリゴリのリアンシェルト」
「当然です。敗北を自認した以上、あなたに再び襲い掛かる気はありません。それに、約束ですから。私に勝ったら、教える、と」
体の修復がほぼ終わりかけているリアンシェルト。敗北を認めたとは言っているが、完全修復したらまた襲い掛かってくるのではないか?という不安が僅かに生まれる。パイモン達も、リアンシェルトの一声で態度を改めて参戦してくる可能性も捨てきれない。
――原因はもう変えられない。ならば過程と結果をより良いものにするのが人というものでしょう?――
「ん・・・?(なんだ、今のノイズ・・・)」
脳裏にノイズ交じりの、何かしらの記憶が流れた。別の契約先での記憶じゃない。今の声は、リアンシェルトのものだったが、俺が人間だった頃の記憶じゃない。人間だった頃の記憶であればノイズなんてものが出ず、ハッキリと綺麗に思い浮かべることが出来るからだ。
「・・・パイモン。今後、いかなる理由においても神器王と、その周囲の者たちに危害を加えることは一切不可。境界門の次回の開門時には、神器王を案内するように」
「了解です〜」
――私たちはこれまでもこれからも敵同士なのです――
――リアンシェルトはヴァルキリーとして記憶が戻っているという――
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・!」
「ま、マイスター? どうしたの・・・?」
――僕はヴァルキリーなんて知らないもん! 僕はレーゼフェア! エグリゴリのレーゼフェアだもん!――
(なんだ、この記憶は!?)
――戻れるわけない。僕は、僕たちは、大好きな人たちをこの手で殺した。洗脳されてた? そんなの言い訳だよ――
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