第十三話 希望の親その六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そやからな。二階空けとくから」
「持って来たいもん何でも持って来いや」
「希望、よかったね」
二人の自分達からの言葉を聞いてだ。そうしてだった。千春は明るい笑顔になって驚きを隠せない希望に対してだ。笑顔で言ってきたのだった。
「許してもらえたよ」
「うん、まさかおばちゃん達から言ってくれるなんて」
このことがだ。どうしてもだったのだ。
「信じられないけれど。よかったよ」
「じゃあすぐにここに入るのね」
「いや、待って」
おばちゃん達の好意は受け取った。しかしだった。
希望はあえてだ。こう言ったのだった。
「それは有り難いけれどね」
「じゃあやっぱり」
「うん、テストが終わってからだよ」
中間テスト、それからだというのだ。
「それからだよ」
「それからなのね」
「そう。自分で納得しないと」
そうでないと駄目だというのだ。希望は筋を通そうとしていた。
「だからね。それからね」
「このお家に入るのね」
「そうするよ」
千春に顔を向けてだ。希望は言った。
「テストでいい点を取ってね」
「そうなんやな。そやったらな」
「テスト頑張りや」
おばちゃん達もだ。二人のその言葉を受けてだった。
そしてそのうえでだ。こう希望に言ってきたのである。
「二階、何時でも空けとくから」
「それから来いや」
「有り難う。それじゃあね」
二人の大叔母達の心を受け取りだ。そのうえでだった。
希望は笑顔になった。そうしてこれからのことを決めたのだった。
彼はおばちゃん達と話を決めてだ。それからだ。
二人からお茶とお菓子を御馳走になり二人の家を出た。そしてそれから千春に言った。
「よかったよ。まさかね」
「おばちゃん達から直接許してもらえるって思ってなかったんだ」
「うん。僕から話してね」
そしてだとだ。彼は思っていたのだ。
「それで認めてもらおうって思ってたけれど」
「多分それだけね」
「それだけって?」
「おばちゃん達は希望のことを心配してたんだよ」
だからだとだ。千春は二人のことを思い出しながら希望に話すのだった。
「ずっとね。だからね」
「僕に家に来いって」
「そう言ってくれたんだよ」
「僕おばちゃん達にそれだけ大事にしてもらってるんだね」
「だって。親だから」
それ故にだと言う千春だった。
「おばちゃん達は希望にとって親だからね」
「だからなんだね」
「そう。だからなんだよ」
「僕に家に来て一緒に暮らそうって言ってくれたんだ」
「そうだよ。だからテスト頑張ってね」
「うん、頑張るよ」
実際にそうするとだ。希望はあらためて決意を
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ