檄文+董卓+袁紹=反董卓連合の結成(蜀・呉)
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
雪蓮を眺めているときだった。
「冥琳様! 伝令があります!」
「明命か。どうした?」
「はっ! 各地に赴かせていた間諜の一人より、重要情報が送られてきました!」
赤っぽい色の布服に刀を携えた少女――――明命が慌てた様子でこちらへ走ってくる。聞いたところ、重要情報ということだが……どんな内容なんだ?
「はい! えっと……そ、孫瑜様の所在が掴めたようです!」
「え!? ホント!? どこ!? 雹霞はどこにいるの!?」
先ほどまでのぐったりが嘘のように手をつき立ち上がる雪蓮。驚く気持ちはわかるし私も驚いているが……明命の胸倉を掴んで血相を変えるのはやめろ。だんだんと顔から血の気が失せていってるから。そのままだと明命が死んでしまう。
「あ、ごめん」
「ぷはぁっ! ……こ、これも家臣の務めです……」
「いや、そこまで阿呆な務めはないからな?」
あんまり従順すぎるのも考え物だ。
場が落ち着いたのを見計らい、再び明命に尋ねる。
「それで? あの馬鹿は今どこにいるの?」
「伝令によると……洛陽にいるそうです」
『…………は?』
一瞬、明命の言っている意味が分からなかった。え、洛陽? 洛陽って言ったか? 明命……。
私達の心中を知ってか知らずか、明命はニコニコしながら言葉を並べていく。
「ずいぶんと大きい街にいるみたいですねー。なんか董卓軍で客将として生活しているみたいですよ? 民衆にもそれなりに慕われていたそうです。いやー、孫瑜様らしいですねー」
「……え、えぇ、そうね……」
「……あの馬鹿……またややこしいことを……」
二人して頭を抱える。なんだ? あいつは自殺志願者か? なんでわざわざ騒動の渦中に自分から飛び込んでいくんだ雹霞……。
太陽のような笑顔で雹霞賛美を続ける明命を尻目に、私達はこれから起こる嵐の予感にただただ頭を痛めるしかなかった。
……あの天災男、今度会ったら絶対に痛めつけてやる。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ