第一章
[2]次話
犬は最高のお母さん
アメリカオハイオ州で夫と共に広い農場を経営しているアンドレア=ホリーは今愛犬のローリン、雌のゴールデレッドリバーである彼女を見つつ夫のロナルドに言った。
「私達は果報者ね」
「これだけの畑を持っていてな」
夫は見渡す限りの大豆畑を観つつ応えた、二人共逞しい身体つきである。夫は黒髪で灰色の目だ。妻は赤髪で青い目だ。髪の毛はどちらも短くしている。
「そしてな」
「子供達も皆健康でね」
「成績も悪くないしな」
「しかもよ」
「ローリンがいるからな」
その彼女を見て話した。
「だからな」
「本当に幸せね」
「ああ、こんないい娘はいない」
「優しくてしっかりしていて」
「まさに名犬だ」
「そうよね」
二人でこうした話をしながらいつも暮らしていた、その中で二人は知人に頼まれてそうしてであった。
四匹の山羊の赤子達を引き取った、フランクリンとハンスとセドリック三人の息子達は両親にその子達を見て話した。
「ええと、山羊?」
「山羊引き取ったんだ」
「そうなの」
「ああ、頼まれてな」
父は自分の遺伝を受け継いだ息子達に答えた。
「それでだ」
「引き取ってだね」
「育てるんだ」
「そうするんだ」
「そうだ、だからお前達も頼むな」
「この子達の世話をしてね」
父だけでなく母も言ってきた。
「皆でしていきましょう」
「ローリンも宜しくな」
「ワンッ」
ローリンは一声鳴いて応えた、すると。
彼女はその時から白黒の雌のマイア、茶色の雄のヘンリー。白の雌のデライラ、黒の雌のデイジー=メイの四匹の山羊の赤子達の傍にいつも一緒にいた。
傍を離れず守ってだった。
一緒に寝てご飯を食べるのも見守った、そして散歩も。
「メエ〜〜〜」
「メエ〜〜〜」
「メエ〜〜〜」
「メエ〜〜〜」
「ワンッ」
四匹を先導しその周りを見回しつつだった。
一緒だった、妻はそんな彼女を見て夫に話した。
「私達がいらない位ね」
「ああ、ローリンが一緒にいてな」
「育ててね」
「面倒を見ているからな」
「私達がすることはご飯をあげる位で」
山羊達にというのだ。
「これといってね」
「することはないな」
「そうね」
「これは凄いぞ」
夫は妻にこうも言った。
「ローリンは俺達が思っていた以上の娘だ」
「そうね、名犬と言ってもまだ足りないね」
「名犬中の名犬だ」
「そうよね、じゃあこれからもね」
「あの子達の親はローリンだ」
「山羊じゃないけれどね」
種族は違ってもというのだ。
「あの娘がお母さんよ」
「そうね」
二人でこう話した、そしてローリンはというと。
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