第二章
[8]前話
「猫は幸運を導くとも言うけれどな」
「セビのお陰かしらね」
「教会の駐車場にいただけあるな」
「セビは私達に幸運をもたらしてくれる娘ね」
「天使みたいだな」
「そうかも知れないわね」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
収入が増えた二人はこれまで住んでいたアパートから一軒家に引っ越すことにした、それで新たな家に入ったが。
家に入って家具を家の中に入れようとすると。
シモンズはリビングの真ん中にちょこんと座っていた灰色の猫を見て目を丸くさせた。
「あれっ、この子は」
「何だその子」
シモンもその猫を見て目を丸くさせた。
「何でいるんだ」
「わからないわ、何処から来たのかしら」
「最初からこの家にいたのか?」
「誰もいない時から」
「この家には何年も誰も住んでいなかったそうだけれど」
「その間に住んでいたかしら」
「そうかも知れないな」
シモンはその猫を見ながら言った。
「この子は」
「そうね、私達の前の住人ね」
「そうなるな、それじゃあな」
「この子と一緒にね」
「住もうか、というかこの子が先に住んでるから」
「私達が住ませてもらうことになるわね」
シモンズはこう述べた。
「どうなるかっていうと」
「そうだな、それじゃあ一緒に住ませてくれるかな」
「ニャア」
その猫は一声鳴いただけだった、そして。
そこに来たセビと早速一緒に遊びだした、そのうえでセビと一緒に二人の前に来て彼女と一緒にご飯をせがんだ。
この灰色の猫は動物病院に連れて行くと雌だったので二人はテレサと名付けた、そうして。
レビと共に彼女とも暮らしはじめた、すると。
二人の勤務先の業績はさらによくなり給料はさらに増えた、しかも男の子を授かった。ここでシモンはまた言った。
「テレサも来て余計にだよ」
「私達は幸せになったわね」
「俺達は教会と家で幸せを得たんだ」
「猫達がそうね」
「そうだ、この娘達は幸せそのものだ」
今は自分達の息子ホセと一緒に丸くなって寝ている猫達を見て話した。
「本当にな」
「そうね、じゃあこれからもね」
「この娘達と一緒にな」
「暮らしていきましょう」
「幸せと一緒に」
夫婦で温かい目で話した、二人は今幸せの中にいることを実感していた。幸せそのものである彼女達を見て。
教会と家で 完
2021・5・19
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