第二章
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「白い子がエド、茶色と白で白が多い子がブリッシー、茶色が多い子がロウイーなの」
「ニャン」
「ニャ〜〜ン」
「ニャンニャン」
「三匹共結構人馴れしているな」
夫は子猫達を見てまずこう言った。
「じゃあ預かるのも楽かな」
「そうね、じゃあトルビーもお願いね」
この時は何となく挨拶程度で言った、だが。
トルビーは四匹の犬達だけでなくだった。
三匹の子猫達の世話を積極的に行った、常に傍にいてだった。
何かと教え優しい目を向けて共に寝ることもした、その彼女を見て妻は夫に言った。
「凄くね」
「うん、積極的に世話をしているね」
「面倒見のいい娘でね」
「うちの他の子達の世話もしているけれど」
「猫達もなんてね」
「種族が違うのに」
犬達そして子猫達と共に集まって寝ているトルビーを見て言った。
「ここまで優しくて面倒を見るなんて」
「凄いね。こうなったことは」
どうしてかとだ、夫は話した。
「うちにずっといて君が育ててくれたからかな」
「それでなのね」
「生後五週間でうちに来て」
子犬のうちにというのだ。
「それでね」
「ずっと私が育ててなの」
「愛情を注いできたからだよ」
「愛情豊で深い娘になったのね」
「だから子猫達にもだよ」
種族が違ってもというのだ。
「そうしているんだよ」
「愛情を受けてきたから」
「愛情を知ってね」
そうしてというのだ。
「他の誰かにも注げるんだよ」
「そうなのね」
「愛情はそうしたものなんだね、では僕達はこれからも」
夫は妻にこうも言った。
「トルビー達を愛していこう」
「そして私達の人の子供にもね」
「産まれたら」
「そうしていきましょう」
妻は夫に優しい笑顔で応えた、子猫達は家にいる間ずっとトルビーの深い愛情に包まれてそのうえでそれぞれ暖かい家に迎えられた、そして。
夫婦に子供が出来るとトルビーはその子にも愛情を注いだ。彼女と四匹のチワワ達に囲まれた二人の子供は幸せに過ごした。豊かな愛情に囲まれて。
子猫達につきっきり 完
2021・5・19
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