第三章
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「この通りです」
「一匹だけ女の子ですが」
「その子だけがです」
「この通りです」
「緑色ですね、毛が」
ルイーズが応えた。
「私達と同じですね」
「娘ですね」
エレインは夫婦が連れてきたフォレストを見て言った。
「まだ緑色の名残がありますね」
「はい、そうです」
実際にというのだ。
「ですからその娘もです」
「次第にですね」
「普通の毛になっていきます」
成長するにつれてというのだ。
「そして身体は何ともないので」
「安心していいですね」
「フェイスブック見ました、身体がどうか心配されていましたが」
それでもとだ、ルーズは微笑んで話した。
「安心して下さい」
「フォレストもこの通り元気です」
夫もクーパー夫妻に話した。
「ですからその娘もです」
「だからですね」
「安心していいですね」
「ただの色素の関係ですから」
緑色の毛はというのだ。
「お気になさらずに」
「わかりました」
「それでは」
クーパー夫妻も頷いた、見れば。
「ワン」
「クンクン」
母犬がその緑の子も他の子も公平に可愛がっていた、エレインはその母犬を見てサザーランド夫婦に話した。
「リオといいますが」
「母親は毛色は気にしないですね」
「どの子も自分の子ですね」
「そうです、色がわからないこともありますが」
エレインもこのことはわかっていた。
「ですがそれでもですね」
「家族は家族」
「そのことは同じですね」
「この通り。そんなことは小さなことですね」
「そうです、気にすることはないです」
「母親がそうですから」
笑顔で話してだ、そしてだった。
二組の夫婦はここからミルクティーを楽しみつつそれぞれの犬の話に移った、そこには純粋な愛情があった。毛が緑ということはもうその中にあった。
クー=シーの様に 完
2021・5・19
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