第一章
[2]次話
クー=シーの様に
スコットランドに住んでいるルイーズ=サザーランド、一八〇近い長身に面長の顔と癖のある長い金髪に小さな緑の目を持つ彼女は愛犬リオ、三歳のゴールデンレッドリバーの彼女が産んだ子犬のうちの一匹を見て仰天した。
「何この子」
「クー=シーかい!?」
隣にいた夫のリチャードも仰天していた、茶色の髪の毛を左で分けていて眼鏡をかけた理知的な顔は冷静そうで事実普段からそうだが今は違っている。背は妻と同じ位だ。
「この子は」
「緑の毛なんて」
「他の子はリオと同じ色なのに」
「どうしてこの子だけが」
夫婦で仰天した、見れば。
子犬は八匹いる、どの子も元気だ。
「クゥ〜〜〜ン」
「クンクン」
「クゥン」
「ク〜〜〜ン」
「クゥ〜〜ン」
「クンクンクン」
「クン」
「クゥゥン」
皆リオの乳を吸っている、リオは我が子達を優しい目で見ている。どの子も母親と同じ毛色であるが。
一匹だけ違っていた、その毛色は緑だったのだ。それで夫婦で仰天して言っているのだ。
「妖精かしら」
「そのクー=シーが緑色だしね」
「そうね、まさかと思うけれど」
「少し診てもらうか」
「最初から皆獣医さんに診てもらうつもりだったし」
「そうしよう」
夫は妻にこう言った、そしてだった。
夫婦で子犬達を皆獣医に診せると八匹共健康状態は良好で緑の犬も同じだった。
そして獣医に何故その子が緑色なのか尋ねた。性別は雄とわかった。
「こんなことはじめてです」
「妖精じゃないですよね」
「どうして毛の色が緑なんですか?」
「どうしてなんですか?」
「これは非常に珍しいです」
獣医もまずはこう言った。
「緑の毛の犬は、ですが有り得ることです」
「有り得るんですか」
「そうなんですか」
「はい、ヘモグロビンの関係で」
それでいうのだ。
「緑の毛の犬が生まれることも。人でもです」
「あるんですか」
「そうしたことが」
「人間だと髪の毛ですか」
「髪の毛が緑色になるんですか」
「そうです、ヘモグロビンの関係で」
やはりこのことでというのだ。
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