第四百六十一話 空を駆る少女達その十一
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「恋する乙女なんだよな」
「何でそうなるんですか」
「見たままだよ」
まさにというのだ。
「本当にな」
「あの、菅野さんは何でそこで恋する乙女って言うのかな」
常盤の叔父はこのことが気になった。
「一体」
「はい、実は菅野中尉は恋愛小説が好きでして」
静夏は素直に話した。
「毎日愛読されています」
「そうなんだ」
「文学に造詣が深く」
そしてというのだ。
「特にです」
「恋愛小説が好きなんだね」
「左様です」
「馬鹿、そんな筈ないだろ」
直枝は静夏のその話を必死に否定しにかかった。
「俺が何でそんなもの読むんだよ」
「ですがお部屋に入りましたら」
「あれは飾りだ飾り」
顔を真っ赤にして言う。
「決まってるだろ」
「そうなんですか?」
「そうだよ、俺が何でだよ」
そうした本を読むかというのだ。
「嘘言うなよ」
「私は嘘は言いません」
静夏の顔は本気だった。
「扶桑海軍として」
「馬鹿、そこは嘘でも否定しろ」
「事実を否定しては駄目です」
「お前融通効かねえな」
「事実は事実です」
「いい娘だな」
ウォズはその直枝を見て呟いた。
「将来良縁に恵まれるな」
「えっ、良縁!?」
「うむ、君ならだ」
動きを止めた直枝にさらに言った。
「必ずだ」
「おいおい、俺みたいな奴がそんな」
「その心根がいいからだ。君はきっと素敵な男性と素晴らしい恋愛を経てだ」
そうしてというのだ。
「幸せな家庭を築くだろう」
「それはいいな、やっぱり足長おじさんとかな」
「そうしただな」
「俺そういうのに憧れててさ」
ウォズに顔を真っ赤にさせて照れつつ右手を後ろにやって話した。
「いつもそういう本を」
「必ずそうなる」
「そうなったらいいな」
「そのことは安心するのだ」
「そうさせてもらうな」
「あの、中佐」
また一人出て来た。
長い金髪の先の部分がややカールになっていて丸眼鏡をかけている。上はダークパープルの軍服で下は黒タイツである。
「そちらの方々が」
「そうだ、仮面ライダーだ」
美緒はその少女にも答えた。
「来て頂いた」
「そうですか、中佐が出られてまだ十分ですが」
「まだそれだけか」
「はい、そうです」
こう美緒に答えた。
「まさに今しがたでした」
「そうだったか」
「まさかもう戻られるとは」
「俺達の世界とこちらの世界では別世界だ」
明光院が答えた。
「だから時間もだ」
「流れが違いますか」
「こちらの世界での時間は俺達の世界では一瞬でだ」
少女にさらに話した。
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