第一章
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に来た、そして彼の布団に来て。
家族が家に帰ると迎えに来たが父が帰るとその足に身体を摺り寄せて甘えた声を出した。
「ニャ〜〜〜ン」
「挨拶したらいいのに」
「生きものは嫌いだ」
父は母に傍にいるミルに見向きもしないで答えた。
「言っているな」
「それでなのね」
「そうだ、挨拶なんかするか」
「それでも傍にいても何も言わないのね」
「部屋にいないといい」
それならというのだ。
「別にな」
「そうなのね」
「そうだ、膝の上にいたらどけるがな」
「けれど怒鳴ったり殴ったりしないで持ってどけるだけね」
「そんなことするか」
こう言ってミルが傍にいるだけなら何もしなかった、そして自分の布団に入ってきてもやはりどけるだけだった。ただ中に入らず傍にいるだけなら何もしなかった。
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