第一章
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愛情が忘れられなくて
ミネソタ州セントポールで心理療法士をしているセネカ=クルーガーは茶色がかった縮れた金髪を後ろで束ねた黒い目の女性である、家族は夫と二人の娘そして二匹の愛犬である。
ボランティアで犬のレスキューとカウンセラーをしておりこれまで三十匹の犬の世話をしてきた。その中で。
ゼルダという名前の茶色の毛で黒の周りが黒いやや垂れ耳の雌の大型犬の世話をした、その彼女を見てだった。
セネカは難しい顔になって他のスタッフ達に話した。
「この娘はこれまで随分酷い目に遭ってきたんですね」
「そうみたいですね」
「詳しいおkとはわからないですが」
「この塞ぎ様は」
「そうみたいですね」
「クゥン・・・・・・」
ゼルダは俯いていた、しかもその顔はかなり悲しそうだ。その彼女を見てだった。
セネカは意を決する顔になってこう言った。
「この娘は私が絶対にです」
「心を開く様になって」
「愛情を知る」
「そうした娘にしますか」
「はい」
こうスタッフ達に誓ってだった。
ゼルダに真摯に向き合い接してだった。
その心を癒していった、その結果彼女は最初の頃と見違える位に明るくなりスタッフ達と元気に遊び散歩の足取りも軽くなった。
その彼女を見てセネカは言った。
「もうこれならですね」
「大丈夫ですね」
「里親さんにも出せますね」
「それが出来ますね」
「そうですね、これからはです」
是非にと言うのだった。
「幸せになってもらいましょう」
「心を開いて明るくなってくれたから」
「それならですね」
「これからはですね」
「幸せにですね」
「なってもらいましょう」
こう話してだった。
ゼルダは里親に貰われていった、だが。
ボランティアのセンターを出る時にだ、彼女はセネカを見て悲しい顔になっていた。その顔を見てだった。
セネカは心配になって言った。
「とてもいい里親さんですから」
「幸せになれるのに」
「それでもですね」
「悲しそうですね」
「私と別れることが」
それがというのだ。
「残念みたいですね、ですが」
「それでもですね」
「ここにはずっといられないです」
「しかもセネカさんは飼い主じゃないです」
「それならですね」
「別れるのは当然です、ここは飛び立つ場所です」
家ではないというのだ。
「ですから」
「新しい場所で、ですね」
「暮らさないといけないですね」
「悲しみは一時ですし」
「そうなるべきですね」
「はい、そう思いますから」
ゼルダの自分との別れを悲しむ顔が残念だった、彼女にしてみれば新しい家族の家に笑顔で行って欲しかった。
そのことが心残りだった、そして暫くしてだった。
「えっ、
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