ありえない現象
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?」
「ちょっとグレイさん・・・」
代表らしき二人の男性の言葉にグレイさんが尋ねるが、それをした後にヤバイっといった顔をする。フィオーレは奇跡的に助かったけど、その他の国では魔導士や傭兵といった中心にいた人たちが戦いで戦死してしまったと聞いている。
生き残った人たちにそういう人たちも残ってはいるだろうけど、大半は普通に暮らしてきた人たち・・・この暑さの中では作業効率も悪くなるだろうし、子供やお年寄りもいっぱいいる。さすがにその言い様はあんまりだ。
「おっしゃる通りです」
しかし、彼の言葉に対しこの人たちは怒ったような態度は見られない。予想外の反応に顔を見合わせていると、その理由について話し始めた。
「私たちもなんとか作業を続けていたのですが、本来ならあり得ないようなことが起きるようになってしまったんです」
「あり得ないようなこと?」
「はい。外の様子は覚えてますか?」
その問いに全員がうなずく。逆にあれだけ悲惨な状態になっていると、忘れたくても忘れられないくらいのインパクトがあるのはここだけの話だ。
「実は、あそこまでなってしまったのはこの異常気象のせいなんです」
「ティオスと天海に襲われたからじゃないんですか?」
「それもありますが、あそこまでひどい惨劇ではありませんでした。あの二人は殺戮に重きを置いていたようでしたし・・・」
嫌な記憶を引き出させてしまったようで、数人の顔が曇ったのがわかった。なんだか申し訳ない気持ちになっている俺を他所に、話は続いていく。
「それで、ありえないことって何なの?」
「なんであんなになっちゃったの〜?」
「猫が喋ってるよ?」
「気にしちゃダメよ」
シャルルとセシリーが話し始めた途端ザワザワしだしたけど気にしない。男性も一瞬ギョッとしていたけど、咳払いをして気持ちを切り替えている。
「建物や道を舗装し直しても、翌日には割れたり粉々に崩れていたりするんです」
「誰かに壊されたとかでもないんですか?」
「交代で監視していましたが、そんなことはありませんでした。恐らく、この暑さに耐えきれないのかと・・・」
人の力ではなくあくまでも自然の力で起きたと言う破壊現象。確かにありえないようなことだが、現実に起きているなら仕方ない。ただ・・・
「でもそんな街に被害を及ぼすほどの暑さにいて、皆さん大丈夫なんですか?」
普通暑さで建物やコンクリートが壊れることなんてありえない。それが彼らの言う通り起きているのだとしたら人が生きていける環境とは到底思えない。もしかしたら皆さんが言わないだけで、かなりの被害者が出ているんじゃ・・・
「それがですね・・・今まで誰もこの異常気象で命を落とした者はいないんです」
「「「「「!?」」」」」
到底信
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