第105話『いざゆけ本戦』
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詠唱と共に、黒い閃光が宍倉に襲いかかった。その一撃に彼は叫びを上げたようだったが、轟く雷鳴に打ち消される。
その後、ぷすぷすと黒煙を上げる彼はぐったりと倒れ伏した。
『な、な、なんと、一発でノックアウト!! し、勝者は【日城中魔術部】黒木選手!! リーダーの名は伊達ではなかったぁ!!』
「「「うおぉぉぉぉぉ!!!!!」」」
ジョーカーがそう采配し、決着がつく。
なんと終夜は、たった一撃で宍倉を戦闘不能に陥れたのだった。
「ええぇぇぇ!?」
「嘘!?」
「いくら本戦に出たかったからって、いきなりフルスロットル過ぎでしょ……!?」
その結果は味方にとっても予想外で、彼らは口々に驚きの声を洩らす。一体誰がこんな展開を想像できただろうか。いや、きっといないだろう。
『第1試合から波乱の幕開けです! 【日城中魔術部】、底が知れません!』
「「「わあぁぁぁぁぁ!!!!!」」」
観客の興奮は留まることを知らず、むしろより盛り上がってきていた。前代未聞の事態に、誰もが驚きを隠せなかったのだ。
「……は、はは、はははは」
そんな中、フィールドの中央で片手で顔を抑えながら笑っている人がいる。
──正直、彼自身も予想外だったのだ。
これほどの観客に、これほどの歓声を浴びせられる中、一撃で相手を仕留めたという高揚感。誰も彼の笑いを妨げることはできまい。
そして彼は両手を大きく広げ、大きく息を吸って勢いのままに叫んだ。
「これが俺たち、【日城中魔術部】だ!!」
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