第105話『いざゆけ本戦』
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、過去一番で団結している気がした。
さて、一体誰が選ばれるのか──
*
『定刻になりましたので、1回戦第1試合と参りましょう!』
ジョーカーが高らかに宣言し、会場の熱がヒートアップする。魔導祭本戦第1試合とあって、その注目度は相当なものだ。
その後彼はいつものようにモニターを表示し、滑稽な演出と共に出場選手のルーレットを回し始めた。
『出場選手は──デン! 【グラトニー】からは宍倉選手、【日城中魔術部】からは黒木選手です!』
「お、いきなり俺か」
「良かった……」
その発表を聞いた瞬間、心の底から安堵した。いや、本当は安心するにはまだ早いのだが、プレッシャーを一身に背負う必要がなくなっただけで気は楽である。
それに、予選に出場していない終夜の出番が早く回ってきたことが何より喜ばしい。こう言ってはなんだが、これで負けたとしても悔いは残らないだろう。伸太郎の分まで頑張って欲しい。
『では、選手を紹介していきます。まず、チーム【グラトニー】は予選14位通過。そして、宍倉選手は"組み手"にて、11位という高順位を記録しています』
「11位……!」
その順位に、ごくりと生唾を飲む。しかもよりにもよって、戦闘と最も形式の近い"組み手"の順位がそれだ。
少なくとも、17位の緋翼よりは強いという証明にはなるだろう。早速強敵とぶつかってしまったらしい。
名前を呼ばれた宍倉という男は、首を鳴らしながら前へと出てきた。いかつい顔つきと金髪のオールバック、その体格は平均的な大人の男性よりも一回り大きい。まるで一昔前のヤンキーを思わせる風体だ。つまり、喧嘩も強そうだということである。
『一方黒木選手は、チーム【日城中魔術部】のリーダーでありながら、なんと予選は不参加。その実力は未知数であります』
その紹介に、さすがに会場もざわめき始める。
そもそも、補欠を用意しているチームすらあまりいないので、本戦で補欠と入れ替えるという行動に、誰もが驚きを隠せなかった。
『それでは両者、フィールドに上がってください』
ここで再度説明をするが、フィールドの形は直径50mくらいの円形で、地面から1mほど高く造られている。素材はコンクリートのようなものでできており、土と比べると少し戦いにくそうに思えた。
終夜と宍倉は階段でフィールドに上がり、互いの距離が10mといったところで対峙する。
まだ試合が始まっていないというのに、目から火花がバチバチと飛んでいるように見えた。
しかし大男と男子中学生では、その戦力差は歴然に見える。大丈夫だろうか……。
「おいお前、予選に出てないッてな。何でか知らねェが
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