第105話『いざゆけ本戦』
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侮るなかれ! なんとこのチームには予選1位通過者が2人もいます! 頭角を現してきた幼い天才たち、本戦に期待です!』
そう、このチームはまだ全員が中学生。義務教育も終えていないような歳なのだ。そんな少年少女が予選を突破したとあれば、このお祭り騒ぎも当然と言えよう。応援する人も少なくない。
「うわ、プレッシャーが凄い……」
しかし、その期待が逆に晴登を苦しめる。
大体、「天才」という言葉とは縁遠い所で生きてきたのだ。伸太郎や結月ならまだしも、晴登にその資質は存在しない。故に、この声援が余計に重荷となっているのだ。
「大丈夫、ハルト?」
「大丈夫かと言われると大丈夫じゃないかも。怖くて身体の震えが止まらないや」
気圧されてる晴登の様子に気づいた結月にそう訊かれたが、武者震いだと誤魔化すことはしなかった。そう強がれるほどの実力はないし、何よりこの会場全体の雰囲気に既にビビっている。
果たして、自分がここに立っていい存在なのか、場違いなのではないかと自問しながら、晴登は静かに指定場所に整列した。
その後、続々と予選を通過したチームが呼ばれていった。その中にはもちろん、予選13位通過の【花鳥風月】がいたし、1位の枠にはやっぱり【覇軍】が鎮座している。
そして初めてそのメンバー全員も目の当たりにしたが、アーサーと影丸以外に、狩人を想起させる軽装の男と、青色を基調とした大きな三角帽子を被り、まるで魔女のようなコートを羽織った女がいた。全員、見るからに実力者なのは間違いない。
もちろん、強そうなのは【覇軍】だけではない。晴登たちの隣に並ぶ人もれなく全て、少なくとも晴登よりは格上の魔術師だろう。滲み出るオーラが違う。
『──それでは予選を突破された16チームの皆様、まずはおめでとうございます。あなた方は本日より、このフィールドにてトーナメント形式で戦闘を行なってもらいます。1回戦が今日、2回戦が明日という具合です。そして最終日に決勝戦を行ない、そこで優勝チームが決まります』
16チームが全員整列したのを確認してから、ジョーカーは話し始めた。ここまでは、昨日終夜から聞いた内容と変わらない。
『戦闘のルールは至って簡単。相手を戦闘不能にするか降参させる、もしくはフィールド外の地面に足を付かせれば勝利です。なお、戦闘中は腕輪にかけられた魔術によって選手が保護され、ダメージによる身体的な傷害を負わない代わりに、魔力が減少するようになります。つまり、相手にダメージを与え続けると、相手の魔力不足を引き起こすことができるようになります』
「ほぉ……」
難しい説明をされて頭がこんがらがったが、要するに"怪我を負わない|戦
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