ムーの民
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らほら。俺たち、いきなりこんな訳の分からないところに連れて来られたわけだろ? ちょっとは協力してなんとか乗り切ろう! ……みたいな?」
「貴方、バカなの?」
ほむらの目つきが無表情から冷たいものへ変わった。
「私達は敵同士よ。この前は世話になったけど、その借りはキャスターがムーの説明で返したのでしょう? なら、もう馴れ合う理由はないわ」
「そう言うなよ。ほら、こんなところで一人だと寂しいだろ?」
「私はずっと一人で戦ってきた。今更どうってことないわ。分かったら退きなさい」
ほむらは真司を押し分けて進もうとする。真司は仕方なく、彼女に付いて行くことにした。
だがほむらは、あくまで真司は敵とみなしている。
「いつまで付いてくるの?」
「いや、他に行くとこないし」
「通報するわよ」
ほむらは一時変身を解除し、スマホを見せつける。
スマホよりも、冬休みにも関わらず何故中学校の制服なのかが真司は気になった。
「それより、ほむらちゃんこそ、なんかアテとかあんの?」
「ないわ。私はただ、早くキャスターと合流したいだけよ」
「あー」
キャスター。真司にとっては、ムー大陸の説明をしてくれた美女のイメージしかないが、ハルトによれば、高い戦闘能力を持つサーヴァントらしい。
だが。
「それよりさ、助けが来るのを待った方がいいんじゃない?」
「こんな空の彼方にある大陸に、一体どんな助けが来るというの?」
「ああ……」
真司はムー大陸の空を見上げた。成層圏に位置するムー大陸より上には雲が存在せず、飛行機させも目下を通り過ぎている。
「それもそっか」
「ならば今は、キャスターを見つけて、ここを根城にしている敵を制圧するのが先よ」
ほむらはそのまま、すぐ近くの洞穴に足を止めた。
「やっぱり古びてるよな」
真司はその入り口へそう言った。
地下へ続く、階段の入り口。それを包むものも、すでに崩壊しており、ほとんど雨よけにもならないものになっていた。
ほむらはそれに大した感心も払わず、階段を下る。
「お、おい! 待てって」
真司もその後を追いかける。
「な、なあ。こっちに何かあるのか?」
「分からないわ。虱潰しに探すしかないでしょ」
「そんな気の遠い……」
どんどん明かりが消えていく階段で、真司はため息をついた。
突如として、階段が終わる。つまずいた真司は「おっとっと」とバランスを崩す。
「階段、ここで終わりよ」
「今言っても遅いから!」
通路の先には、淡く蒼い光があった。
ほむらもそこから調べることにしたのだろう。狭い廊下の、その光の部屋へ入っていった。
「あ、おい!」
真司も後を
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