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優しいお義母さん猫
第二章
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 トルコで猫の養育主をしているエスギ=ラスメンは長い黒髪に艶やかな黒い目ときめ細かい肌を持っている。その彼女は三年前に自分の車の下にいて保護してからかぞくになったバンビ銀と黒と白の虎毛模様の猫を夫とともに育てていた、バンビは飼い主の猫の養育を手伝う形で家に来た子猫達を世話していたが。
 今回来た三匹。シルベスターと名付けられた黒がメインで白の八割れになっている生後二週間位の雄の子猫にジュニアとロンの兄弟、共に銀と黒の虎毛模様でしかも感染症をわずらっていて共に片目が見えなくなっていた猫達を見てだった。
 エズギの夫アブドラー、浅黒い顔に口髭が似合う黒く奇麗な目の彼は妻に真剣な顔で述べた。
「この子達はな」
「物凄く怖がりね」
「今も震えてるな」
「ニャ〜〜〜・・・・・・」
「ウニャ〜〜・・・・・・」
「ミャ〜〜〜・・・・・・」
 三匹共部屋の隅でガタガタ震えている、特にジュニアとロンは兄弟で寄り添ってそうなっている。二匹の感染症はまだ完治しておらずそれぞれ片目はまだ腫れている。
 そんな彼等を見てだ、夫は妻に言った。
「今回は念入りにな」
「ええ、じっくりとね」 
 妻も応えた。
「里親の人に貰われるまでね」
「じっくり育てていこう」
「そうしましょう」
 二人で話した、二人共今回はかなり骨が折れると思っていた。夫は仕事もあるので余計にそう思っていた。
 だがここでだった。
「ニャ〜〜〜」
「あっ、バンビ」
 何と彼女がだった。
 三匹の震えている子猫達のところにそれぞれ行ってだった。
 その顔を舐めて頬を摺り寄せた、そうして彼等のところにいつも一緒にいてだった。
 身体を寄り添わさせて食事やトイレのことを教えた、最初は部屋の隅で震えているだけだった三匹も。
 兄弟の感染症もやがて完治しバンビの行くところについて行って彼女の傍で寝て彼女と一緒にご飯を食べてミルクを飲む様になった。すると。
 三匹は怯えない様になりエスギにもアブドラーにも懐いてだった。
 里親にと来た優しい人達にも明るくて。
 それぞれ良縁に恵まれ旅立った、夫婦はその彼等を見送ってから二人で話した。
「今回はな」
「ええ、もっと言えば今回もね」
「バンビのお陰だな」
「ええ、バンビがいてくれたから」
 それでというのだ。
「あの子達は無事に育ってね」
「怯えない様になってな」
「安心して旅立っていけたな」
「そうね、やっぱり優しいお母さんがいてくれたら」
「怖がっている子も心を開いてな」
「明るくなれるわ」
「そうだな、じゃあ今回はバンビにご褒美で」
 夫は明るい顔で言った。
「上等の鶏肉を買ってやるか」
「いいわね、バンビ今夜はご馳走よ」
「ニャンッ」
 バンビは夫婦の言葉に嬉しそうに鳴いて応えた、そして
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