第二百三話 騎士団と王国その七
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「悪人は一切だ」
「容赦しない」
「そうしていきますね」
「そして多くの民を護りますね」
「善人達を」
「そうしていくな」
久志は明るい声で言った、そして仕事の後でだ。
妻と同じ部屋で寝て朝起きるとだった。
馬術や剣術の鍛錬の後で入浴し仲間達と朝食を摂った、だがここで彼ははっとしてそうして言った。
「俺昨日飲んでなかったな」
「そうなの」
「ああ、そういえばな」
「私昨日もだったわ」
留奈はオムレツを食べつつ答えた。
「お酒はね」
「飲んだんだな」
「ワインね」
「いつも通りだな」
「鶏のグリルとマカロニそれにチーズでね」
「随分いい組み合わせだな」
「最高だったわ、やっぱりお仕事が終わったら」
その時はというのだ。
「もうね」
「お酒だよな」
「そう、けれどあんたはなの」
「昨日はな」
「飲んでなかったのね」
「本当に久し振りだったよ」
「あんたもお酒好きなのに」
「好きも好きでな」
それこそというのだ。
「上に大がつく位だよ」
「そうよね」
「甘いものも好きでな」
そしてというのだ。
「それでだよ」
「そうよね」
「けれど昨日はな」
「飲んでなくて」
「あっさり寝たな」
「そうなのね」
「たまにはそんな日もあるってことか」
久志はじみじみとした口調で述べた。
「こんなことも」
「まあそんな日もあるでしょ」
清音も言ってきた、清音はパンを食べている。メニューは他にはベーコンと人参それに玉葱のシチューがある。一国それも大国の主達の食事としては随分と質素だが彼等はそれで一向に構わない。他には牛乳もある。
「たまにはね」
「そういうことか」
「だからね」
それでというのだ。
「特にね」
「言うこともないか」
「どうせ今日は飲むわね」
「飲みたいな」
是非にという返事だった。
「やっぱりな」
「そうよね」
「ああ、ワインだな」
飲むならというのだ。
「それだな」
「ビールもいいわよ」
「いや、今日はワインの気分なんだよ」
飲む酒はというのだ。
「本当にな」
「それでなのね」
「ああ、じゃあ今日は仕事が終わったら」
「飲むのね」
「そうするな」
「そうね、そして私もね」
清音も笑って言った。
「今日もね」
「飲むんだな」
「やっぱり飲まないとね」
そうしなければというのだ。
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