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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第80話:嘗ての師弟
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はぁ……」

 ウィズの負傷は遠く離れたエアキャリアの隠してある倉庫にも影響を及ぼした。

 出し抜けにソーサラーと戦っていたウィズが体を崩壊させたのだ。

「ッ!?」
「ウィズッ!?」

 何の前触れもなく分身が姿を消す。それが意味しているのは、本体に何か異常があった事のみである。

 まさかの事態にアルドは激しく動揺し、またソーサラーも突然戦っていたウィズが消えた事に狼狽える様子を見せた。
 そこにさらにナスターシャ教授からの通信が入る。

『ソーサラー、撤退します。貴方は切歌と調を回収に向ってください。後程合流しましょう』

 ソーサラーはナスターシャ教授からの通信を聞くと、一瞬躊躇った様子を見せたがすぐに気を取り直し、ハルバードを振るいアルドを吹き飛ばした。

「あぁっ?!」

 吹き飛ばされたアルドがコンテナに激突しゆっくり崩れ落ちるのを、僅かな時間見つめソーサラーは切歌と調を迎えに魔法でその場から姿を消した。

「う……ウィズ……」

 アルドが朦朧とした意識の中でウィズの名を呟く。

 そのウィズは、ワイズマンの一撃に膝をつきながらも自らの策が実を結んだ事に仮面の奥でほくそ笑んだ。

「ふ……」
「ん? 何が可笑しい?」
「いや……詰めが甘いと思ってな」

 ウィズはそう呟くや否や両手を体を抱く様に振るった。すると室内の調度品が一斉にワイズマンに向けて飛んで行った。

「ッ!?」

 よく見ると調度品には目では見づらい極細のピアノ線が結びつけてある。

 ウィズは戦いながらワイズマンの周りの調度品にピアノ線を巻き付け、タイミングを見て一斉にワイズマンに殺到させたのだ。

 喰らってもダメージにはならないだろうが、調度品に纏わり付かれては動く事も儘ならない。ワイズマンは両手の光刃で迫り来る調度品を次々切り裂いた。

 それはウィズが逃げるには十分な時間となった。

〈テレポート、ナーウ〉

 ワイズマンが調度品への対処に追われている間に、ウィズは魔法で転移しその場から逃げ出す。
 迫る調度品を全て切り払った時、そこにウィズの姿は無かった。ワイズマンは暫し周囲を見渡し、完全に逃げられた事を悟ると光刃を消した。

「ふぅ…………ふっはっはっはっはっはっはっ!」

 誰も居なくなった室内で、ワイズマンは一頻り笑うと踵を返してその場を立ち去った。

 そして同じく部屋から姿を消したウィズは、エアキャリア近くへと転移していた。アルドと合流する為だ。
 彼が転移した時、エアキャリアは既に飛行体勢に入っており、隠れている倉庫から出た瞬間姿を消してその場を飛び去った。

 飛び去ったエアキャリアを見送り、ウィズは周囲を探しコンテナに叩き付けられたアルド
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