第二章
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彼女は子犬達を連れて二人の後について行った、そうして。
夫婦は四匹を連れて屋台に戻りつつこれからはレオを入れて五匹になると考えていた。五匹と一緒に暮らすとどうなるかとか考えた。
だが屋台に戻ると息子のピーニャが言ってきた。
「何かレオについて行ってきてる人がいるよ」
「レオに?」
「うん、ここにね」
見ればスキンヘッドで背の高い男性だった、引き締まった体格をしていて岩の様な顔だ。年齢は三十代だろうか。
その彼がレオを見ながら夫婦に言った。
「息子さんに話を聞いたが四年前にそっちで拾ったんだな」
「ああ、そうだけれどな」
「この子はうちの子だ、俺はローイエットのナン=チャン=サガトというんだが」
名前も名乗った。
「四年前にリードが外れて家から脱走したんだ、ずっと探していてこの前ネットでそちらのお店がこの子の紹介をしていて」
「それでか」
「元の飼い主がいれば名乗り出てくれと書いてあったな」
「それであんたがか」
「その飼い主って訳だ、そうだなボンボン」
「ワンッ」
家族がレオと名付けていたその犬は彼が呼ぶと応えた、夫婦もそれを見て察した。
「そうか、そういうことか」
「よくわかったわ」
「その子はあんたの犬か」
「やっと再開出来たのね」
「ああ、いきなりで悪いがな」
後は彼を返してくれという話だった、夫婦も息子も四年間一緒だった彼と別れることは残念だった。実はもう飼い主は出ないか最初からいなかったと思っていた。屋台のホームページや飼い主を探しているとネットで書いてあってもだ。
だが彼の家族はいた、それでだった。
元の家族の元に戻った、彼はナンが一家に深々と頭を下げてローイエットに帰る時に尻尾を振ってついて行った、ナンもその彼を優しい笑顔で見ていた。岩の様な顔がそうなっていた。
夫婦はその彼等を見送ってから話した。
「レオが幸せならな」
「それでいいわね」
「そうだな、じゃああいつの幸せを願いながら」
「私達はね」
「こいつ等を家族にしたんだ」
四匹の母子を見ながら話した。
「それじゃあな」
「これからはね」
「こいつ等と一緒に過ごそうな」
「そうしましょう」
「子犬は三匹共雄だよ」
息子が言ってきた。
「そうだよ」
「じゃあまた去勢しないとな」
「そうね、母親は不妊手術して」
「そうしないとな、それで名前はな」
夫は犬達に屋台の残りものを出しながら話した。
「今から決めるか」
「そうするのね」
「お前はチュットだ」
まずは母犬に名付けた。
「これからはな」
「ワン」
「お前はアドン」
子犬の一匹、口の周りが少し黒い彼はその名前だった。
「いいな」
「ワン」
「お前はサムリットだ」
今度は尻尾が白い子犬だ
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