どんなときも食事は大事
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わ、分かった! 分かった!」
喚くリゲルを宥めながら、コウスケはリゲルへ焼き鳥を渡した。
「お前も食うか? 美味いぞ」
「……」
リゲルは口をへの字にしながら、「いただくわ」と串を受け取った。
「さてと。お前とさっさと合流できたのはラッキーだったな」
「何が悲しくてお前みてえな野郎なんだよ。女の子と合流させろよ」
焼き鳥にかぶりつきながら、コウスケは口を尖らせた。ハルトは苦笑しながら、コウスケの右手を見下ろす。
「響ちゃんに、何か変化はない?」
「ん? ああ。今のところ何もねえ。響に何かあったら、令呪にも影響するはずだからな」
だが、彼の手に刻まれた呪いの紋章は、以前見たのと同じ、響のフォニックゲインの紋章がそのまま描かれていた。
コウスケは串の鶏肉を喰い終え、焚火に投げ入れる。
「アイツがまだ無事ってことは、オレたちで助け出すチャンスがあるってことだ。ほれ、腹が減っては戦はできねえ。ジャンジャン食え」
コウスケがそう言って、焚火に備えてある串焼きに促す。この短時間でどれだけ捕ったのか、三人分は賄えそうな量であった。
「お前、こんなに一人で食べるつもりだったのか。本当に大食いだな」
「皆まで言うな。褒めても何も出ねえよ」
「褒めてない褒めてない。それより、ムー大陸に来てから、なんか変わったもの見た?」
ハルトはコウスケの向かい側に腰を落とす。リゲルは入口で、微動だにせずにコウスケを見守っている。
コウスケは鳥を食らいながら答えた。
「全部だな。この遺跡は、考古学的発見の山だぜ」
「あー……まあ、そりゃそうだな」
「この遺跡、家屋一つとっても何でできてんのか全く分からねえ」
「完全に風化するまで地球の年月と同じくらいかかるみたいだよ」
「そもそも、こんなでっけえ大陸がどうやって空に浮いているんだって話になるぜ。コイツはマジで調査してえ」
「後にして。考古学専攻にとっては嬉しい場所だろうけど、そもそも俺たちは、このムー大陸に閉じ込められてることを忘れないでね」
「わーってるよ。皆まで言うな。うっし、ごちそーさん!」
「ん?」
いつの間にか、最後の串焼きがコウスケの胃袋の中に消えていた。あれだけあった量が、もうなくなっている。
この状況下でのマイペースっぷりに舌を巻きながら、ハルトは立ちあがる。
「非常食が必要になるほど、ムー大陸に滞在するつもりはないよ。早くバングレイたちを倒して、ここから脱出しよう」
「あー……そうだな。その方がいいな。じゃ、カワイ子ちゃんもよろしくな?」
コウスケはリゲルへ手を伸ばした。だが、リゲルはそれを取ることなく、言い放った。
「私は敵よ。あなたたちとはあくまで、一時休戦。それを忘れないで
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