第一章
[2]次話
山奥にいた老犬
アメリカニューハンプシャー州のコンウェイの山奥で働いているジェイク=マックバーン青い目に金髪で樵の様な身体を持っている彼は家に帰って妻のチャーミー黒髪に黒い目で愛嬌のある顔立ちで小柄な彼女に言った。
「仕事の時に犬を見たよ」
「山奥なのに?」
「ああ、野良犬かな」
「誰かに捨てられたのかしら」
「そうかもな、捨てられたならな」
それならとだ、ジェイクはチャーミーに話した。
「放っておけないな」
「そうね、餓え死にしたりするし」
「すぐに保護してな」
「センターにお話して」
「里親探してもらうか」
「それがいいわね」
「じゃあ今度見付けたら家に連れて来るな」
こう妻に言った。
「そうするな」
「また見付かればいいわね」
妻もこう答えた、そしてだった。
夫はすぐに動物愛護団体に連絡をして何処で犬を見付けたかそしてどんな犬かも話した。その犬はというと。
「茶色の毛で顔が白い大きな犬だよ」
「大きいんですね」
「それで茶色で顔が白いんですか」
「あとかなり歳を取ってるのか身体の動きが遅かった」
ジェイクはこのことも話した。
「大体そんなところだ」
「わかりました、じゃあ探しましょう」
「今からその山に行きます」
「そうしますので」
「ああ、頼むな」
ジェイクは団体のスタッフ達と一緒に犬を見付けた場所に向かった、するとすぐにその犬が見付かった。
犬は大人しいだけでなく動きも鈍かったが。
「餓えて栄養失調で弱っているだけでないです」
「十七歳位で病気もありますね」
「だから身体が弱いんですね」
「年寄りで病気になって捨てたのか?」
ジェイクはスタッフ達の言葉を聞いてまずはこう考えて顔を顰めさせた。
「それは酷いな」
「全くですね」
「ですがそうした飼い主はいます」
「介護が面倒になったりして」
「ずっと一緒に暮らしていたのに」
「酷い話だ、しかし保護したら里親を探して」
そしてとだ、ジェイクは顔を顰めさせながらもこう言った。
「無責任な奴だと思うが飼い主も探すか」
「そうしましょう」
「ネットで紹介するんで」
「そうしましょう」
スタッフ達も応えた、ジェイクはどうせ無責任な飼い主が山に捨てたのだろうと思っていた。だがネットに犬のことを出すとだった。
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