第一章
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首輪の手紙
マレーシアアベラ州の州都イボーでのことだ、この街で働き仕事をしているライオネル=ヴィシャリンガム黒髪と黒い目で浅黒い肌の痩せた長身の彼は一匹の犬を保護した、そしてすぐに動物病院に連れて行って獣医に事情を話した。
「車が行き来していて」
「その道で、ですか」
「拾いました」
「ワン」
こう獣医に話した、一声鳴いた犬を見ながら。
「クラクションを鳴らさせていて」
「それは気の毒ですね」
「見ていられなくて」
彼は獣医に眉を曇らせて話した。
「それで、です」
「保護されたんですね」
「はい」
その通りだと答えた。
「そうです」
「そうだったんですね」
「それで、です」
ここでだった、彼は。
その五歳位のゴールデンドゥードル大人しい彼の首輪からメモを取り出した。そして獣医にそのメモを見せた。
「飼えなくなったからですか」
「それで捨てたとのことです」
「この子は捨て犬ですか」
「はい」
獣医に残念そうに話した。
「可哀想なことに」
「そうですか、では」
「私はペットを飼えないマンションですが」
それでもとだ、獣医にこうも話した。
「ですが」
「それでもですか」
「はい、すぐに一軒家に住む兄に相談しましたら」
犬を保護してというのだ。
「飼ってくれるそうなので」
「それはよかったですね」
「ええ、ですが」
獣医に顔を曇らせたままこうも言った。
「犬を捨てるなんて」
「飼い主にも事情があっても」
「酷いことですね」
「メモには理由が書いてあっても」
「どういった理由でも。里親を探さずに」
それでというのだ。
「そんなことをしないで」
「捨てることは酷いですね」
「捨てられる子のことを考えて欲しいです」
「全くですね、ですが貴方に保護されて」
それでとだ、獣医は彼に話した。
「この子は助かりましたので」
「よかったですか」
「そう思います、ではこれからはですね」
「兄が飼ってくれます、兄は犬が好きですから」
「それで、ですか」
「この子は幸せになります」
犬好きの兄に飼われてというのだ、ライオネルは色々思ったがそれでも犬が救われ幸せになることは喜んだ。
犬は雄でシギーと名付けられてライオネルの兄の家に迎えられてそこで幸せに過ごせる様になった、その家にだった。
アメリカから来たという黒く短い髪の毛で長身でがっしりした体格の白人の男エイブラハム=ストーンという者が来た、その彼がだ。
一匹の茶色のピットブルを連れて来てライオネルの兄の家に来て彼と兄、ライオネルにそっくりの顔だが少し髪の毛が薄いマリークに対して話した。
「ニューオーリンズにいまして」
「アメリカのですね」
「はい、こ
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