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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第80話 朱乃よ、父と向き合え。家族の和解と本当の愛 後編
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持ってしまうとは……さぞや苦労しただろう」
「あ、朱乃……」
「どうだ?お前も父親に何か言ってやりたいことがあるんじゃないか?この際だ、父に言いたいことを言ってもいいぞ。どうせ二人とも今日死ぬのだからな」


 俺はそう言って朱乃に視線を送った。朱乃はコクリと頷くとバラキエルさんに語りだした。


「お父様、わたくしはずっとお父様を恨んでいました。お母さまを守ってくれなかったこと、わたくしをこの世に生み出したこと、全てを恨んでいました」
「……」
「でもわたくしは本当は分かっていました。お父様は何も悪くないのにわたくしは全てをお父様のせいにして逃げたのです」
「……ッ!」


 朱乃は今まで胸の中に秘めていた父親への想いを語り始めた。


「お父様、いままでずっとお父様から逃げて本当にごめんなさい。わたくしは弱い子供でした。だから今日までお父様に謝ることが出来なかった……」
「朱乃……」
「わたくしはお父様とちゃんと話し合いたいのです。もう一度家族になりたい……もしお父様がまだわたくしを娘だと思っていてくださるのならわたくしと向き合ってください!」
「……朱乃、私は……」


 バラキエルさんは朱乃の心の声を聴いて涙を流していた。


「ふん、下らん。父が父なら娘も娘だな。こんな下らない茶番はもううんざりだ、ならまずは先に娘から始末してやる。娘が死ぬ姿を見て絶望……ッ!?」


 その瞬間、俺の体は宙を飛び壁を突き向けた。鎧にはヒビが入って割れ欠けていた。


(ヤ、ヤバイ!防御をおろそかにしていたとはいえ一撃で鎧を割る寸前までダメージを与えるとは……!?)
『落ち着け。今鎧を修繕する』


 ドライグに鎧を修繕してもらいながら俺はバラキエルさんの方を見る。彼は全身に雷を纏わせていた。


「朱乃……」
「お父様……?」
「逃げていたのは私も同じだ。朱璃を失い絶望したお前に見つめられると何も守れなかった自分を思い知らされて苦しかった……お前が私を避けるようになったのを良いことに私もお前から目を逸らしてきた。お前を心配するように見せて関係の改善に取り組まず、自分は娘を心配する良い父親だと思い込んでいたかったんだ」


 バラキエルさんも自身の思いを語り始めた。


「私は父親失格だ、娘から逃げてしまったのだからな。だから今回の件が終われば二度と会うつもりは無かった……だが朱乃、お前はこんな私に謝ってくれた!向き合おうと歩み寄ってくれた!……嬉しかったよ」
「お父様……!」
「私はもう逃げない!お前からも弱い自分自身からも!……父として今度こそお前を守って見せる!」


 バラキエルさんはそう言うと全身に雷を纏い俺に向かってきた。だがその速度は先程までよりも遥
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