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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第80話 朱乃よ、父と向き合え。家族の和解と本当の愛 後編
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としているだけじゃないか。俺は利用されるような形でお前を抱きたくない」
「いいじゃない、貴方はわたくしの恋人なのよ?恋人が辛い思いをしているのに貴方は何もしてくれないの?それともやっぱり小猫ちゃんが一番なの?わたくしなんてどうでもいいの?」
「恋人だから拒絶するんだ。例え小猫ちゃんが同じことをしてきたとしても俺は拒絶したさ。いくら好きでもお互いが想い合っていないのに利用される形で行為には及びたくない」
「……仕方ないじゃない」
「朱乃……?」
「仕方ないじゃない!だって……わたくしは汚れた存在なのよ!こういう事しかできないのよ……」


 朱乃は泣きながらそう叫んだ。汚れたと言うのは恐らく母親を殺された際に姫島家の奴らにそう言われたのだろう。それが朱乃の中でトラウマになっているんだ。


「朱乃、俺はそんなに頼りないか?俺はそんなに信用できないか?俺は朱乃が好きだ、汚れているとかそんなことは関係ない。こんな事しなくても俺は朱乃を支えたいんだ」
「イッセー……」


 俺は朱乃を抱きしめて俺自身の想いを彼女に話していく。


「バラキエルさんと仲直りできなかったから自暴自棄になってしまったんだろう?」
「……うん」
「なら俺に話してくれないか?今の朱乃の思いを……」
「……私はね、イッセー、酷い女なの。お父様のことを拒絶して避け続けて……それで今になって心を入れ替えたからお父様と仲直りしたいって思った。でもそんなの虫のいい話だったわ」


 朱乃はいつも使う「わたくし」でなく「私」と一人称を変えて話し始めた。


「だって私はお父様の気持ちを何一つ考えていなかった。何年も連絡すらしなかったような親不孝な娘なんてもう見限っていたとしてもおかしくなかったのに……もし私がお父様の立場ならこいつはいまさら何を言っているんだと思うわ」
「俺はそうは思わないよ。あの時のバラキエルさんは本気で朱乃を心配していた。もし朱乃を見限っていたのならそもそも何も言ってこなかっただろう」
「そうかな……?」
「そうに決まってる。娘を大事に想わない父親なんていないさ」


 朱乃はバラキエルさんが自分を見限っているなんて言うがそれはあり得ないと俺は思う。だってあんなにも朱乃を心配している人が朱乃をどうでもいいとなんて思っているわけがない。


「きっとバラキエルさんにも思う事があるんだ。朱乃の言う通り朱乃だけが歩み寄ろうとしても駄目なのかもしれない。ならしっかりとバラキエルさんと話し合うしかない」
「……怖いわ。もしお父様が私が言った言葉で今でも苦しんでいて、それで分かり合えるのか私には分からない。怖いよ……」
「大丈夫だ、朱乃。俺が側にいる。俺だけじゃなくリアスさんやグレモリー眷属の皆だっている。朱乃は一人じゃ
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