第十一話 テスト勉強その一
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第十一話 テスト勉強
二学期がはじまってだ。希望と千春はクラスではいつも一緒にいるようになった。その二人に悪意を向ける者はもういなくなっていた。
このことについてだ。希望は少し嬉しそうにだ。こう千春に述べた。
「やっぱりね。嫌な目で見られないのってね」
「いいことだよね」
「ずっと。嫌だったよ」
一学期や二学期のはじめのことをだ。希望は言ったのである。
「何か急にそれが終わったけれど」
「皆千春達に何もしてこないしね」
「何か。いない様に扱ってくれるけれど」
「別にいいよね」
「うん、いいよ」
それならそれで構わないというのだ。それが今の希望の考えだった。
「あんな奴等と仲良くならなくても」
「希望が仲良くするのは」
「学校じゃ二人だけだよ」
千春のその顔をだ。自分の席から見ての言葉だった。千春は今は希望の席のところに来て彼の前にいてだ。そしてそこに立っているのだ。
その千春にだ。希望は笑顔で言ったのである。
「友井君とね」
「千春だよね」
「そうだよ。二人だけだよ」
「他の人達は」
「いいよ。本当にね」
彼自身もだ。そう考えているというのだ。
「だから。一緒にいようね」
「そうね。それじゃあね」
「あとだけれど」
学校の話からだ。次はだった。
「やっぱり僕決めたから。中間テストの成績がよかったら」
「お父さん達に約束してもらったあれ?」
「うん、何でも言うことを聞くっていうから」
それでだというのだ。
「家、出るよ」
「それで大叔母さん達のお家に入るのね」
「そう決めたよ。だから今度ね」
「大叔母さん達にお話するのね」
「そうするよ。実はおばちゃんとポポちゃんのお家ってね」
二人の大叔母達の仇名を出しての話だった。
「この学校からすぐだし」
「あっ、近いの」
「歩いてすぐだよ」
こう笑顔でだ。千春に話したのである。
「そこはね」
「ふうん、いい場所なのね」
「位置的にもね」
そうだとだ。希望は笑顔で千春に話した。
「だから。そこに引っ越せたら」
「その時は?」
「千春ちゃんをね。おばちゃん達に紹介したいんだ」
その笑顔をそのままにしてだ。希望はまた千春に話した。
「そうしたいけれどいいかな」
「うん、いいよ」
満面の笑顔でだ。千春も希望に答える。
「楽しみに待ってるね。その時を」
「うん、僕頑張るから」
「お勉強もなのね」
「そう。けれど中間テストで終わりじゃなくてね」
勉強についても頑張る、そのことはだというのだ。
「それからもね」
「ずっと頑張るのね」
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