第六百十三話 コーヒーにも入れるその五
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「そうなのよ」
「成程ね」
「ただ。朝にね」
その時にというのだ。
「起き抜けで何もお腹になくて」
「空腹の状態でお酒はよくないわよ」
ウェンディはそれはと述べた、彼女も空腹状態で何も食べないうえでの飲酒が胃によくないことは知っているのだ。
「それは」
「ええ、そうだけれどね」
「酔いも凄く回るし」
「胃にもね」
「よくないわよ」
「私もそう思うけれど」
それでもというのだ。
「エウロパではよ」
「それが普通なの」
「そう、ビールに生卵入れて飲むことも」
このこともというのだ。
「あるしね」
「ドイツ式に」
「そうして飲んで」
そしてというのだ。
「朝ご飯にするのよ」
「食欲がないと」
「牛乳を飲む感覚でね」
朝にそうする感じでというのだ。
「それでなのよ」
「国が違うってことね」
「それでロシアもね」
「朝から飲むのね」
「ウォッカをね」
ビールやワインでなくだ。
「朝からね」
「食欲がないと」
「飲んでね」
そうしてというのだ。
「朝ご飯にするのよ」
「紅茶にした方がいいよ」
ルシエンは冷静に述べた。
「それは」
「紅茶?」
「うん、飲んで朝ご飯にするなら」
それならというのだ。
「ミルクティーとかね」
「だから寒いからね」
理由はこれに尽きた。
「それでよ」
「本当にそこに理由が行き着くね」
「ロシアだからね」
全てはこれに尽きた。
「そうなるわ」
「そういうことだね
「何でもエウロパは元々お水が悪くて」
まだ人類が地球にあった頃のことだ、欧州はどの国も水は硬水それもお世辞にも質がいいものではなく飲むにはあまり適していなかったのだ。
「お酒をね」
「水代わりに飲んでいて」
「定着して」
「今に至るんだ」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「これもね」
「いいんだ」
「そう、だからね」
「朝からワイン一本空けて出勤しても」
「いいのよ」
そうだというのだ。
「あちらじゃね」
「エウロパはエウロパだね」
「そうよ、エウロパはね」
「連合とそこは違うね、というか」
ここでルシエンは連合市民としてこう言った。
「朝からお酒飲んでるから」
「エウロパの連中頭悪いのね」
ウェンディも言った。
「寒さ対策でないのに飲むから」
「そんなことしてるからね」
「あいつ等馬鹿なのね」
「そうだね」
「そうね」
アンネットも言うことだった。
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