第六百十三話 コーヒーにも入れるその二
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「もうね」
「いつも明るいんだね」
「それで暴れる人もいるから」
「酒乱の人もいるんだ」
「そうしたお話もあるのよ」
「それは困ったことだね」
実にとだ、ルシエンはアンネットにどうかという顔で述べた。酒乱が困ったことなのは何時でも何処でも同じだ。
「飲み過ぎ注意だよ」
「その飲み過ぎもね」
「ロシアなんだね」
「ロシア人って歯止め利かないのよ」
アンネットは笑って述べた。
「タガが外れて」
「それでなんだ」
「それでイワン雷帝も大虐殺やったし」
「それも何度もだね」
「ええ、それでお酒もね」
これもというのだ。
「もうね」
「とことん飲むんだね」
「それでね」
「暴れるんだね」
「そうしたことも結構あるのよ」
少なくないというのだ。
「これがね」
「というかね」
ここでだ、ウェンディがまた言った。彼女もアンネットも紅茶を飲み終えて店の仕事に戻っている。
それで作業をしつつだ、こう言ったのだ。
「ロシア人って素朴で無欲で親切で」
「いい人達ってよね」
「言われてるわね」
「国民性のことね」
「実際あんたを含めて私ロシア人に悪い印象ないわよ」
「そうだね、ロシア最大の財産って」
ルシエンも話した。
「国民性ってね」
「そう言う人多いわよね」
ウエンデイはルシエンに応えた。
「ロシア最大の財産は何か」
「国民性だってね」
「ロシア人のね」
「けれど」
「そう、それでもね」
「酒乱の人が多いっていうのは」
「困るわね、それも普段から飲んでるなら」
それならというのだ。
「もういつもね」
「暴れる人がいるってことだね」
「困るわね、それ」
「そうだよね」
「いや、それが普通だと」
アンネットは二人に冷静に話した。
「別にね」
「何とも思わないんだ」
「そうなの」
「そう、本当にね」
それこそというのだ。
「何でもなくなるわよ」
「酒乱の人が暴れたらどうするの?」
ウェンディは具体的な方法を問うた。
「その時は」
「大抵は頭殴ってノックアウトしてね」
「終わりなの」
「別にそれで会社クビにもならないし」
「お酒で暴れても」
「だからそれいつもだから」
ロシアではそうであるからだというのだ。
「別にね」
「会社クビにとかならないの」
「それでノックアウトされて」
そうなってというのだ。
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