第六百十三話 コーヒーにも入れるその一
[8]前話 [2]次話
コーヒーにも入れる
アンネットはウォッカの瓶を出したうえでルシエンとウェンディに対して問うた。
「これから私がどうするか」
「飲むよね、ウォッカ」
「そうでしょ」
二人の返事はわかっているというものだった。
「やっぱり」
「そうするのよね」
「いえ、違うわ」
アンネットは二人に笑って話した。
「飲むことは飲んでもよ」
「ああ、紅茶に入れるんだ」
「そうするのね」
「それでそのうえでだね」
「飲むのね」
「今はそうするわ、そのまま飲んでもいいけれど」
それでもというのだ。
「そうしてね」
「飲んで」
「そうしてなのね」
「ちょっと冷える気がするから」
だからだというのだ。
「ちょっと飲んでね」
「そうしてなんだ」
「あったまるのね」
「ええ、あったまるにはね」
ルシエンは笑顔で話した。
「やっぱりね」
「お酒だね」
「それでウォッカなのね」
「それで飲むんだ」
「今からそうするのね」
「ええ、本当にちょっと寒いと」
尚かなり寒い時も同じである。
「飲むのが一番よ」
「それかえってよくないわよ」
ウェンディは冷静な顔で突っ込みを入れた。
「あったまるにはね」
「ああ、お酒はね」
「そう聞いたけれど」
「けれどね」
「飲むのね」
「選択肢は一つよ」
これがアンネットの返事だった。
「ロシアではね」
「そういうことね」
「汗腺開いてかえってよね」
「冷えるって聞いたし水分もね」
「身体から出てね」
そしてというのだ。
「かえってね」
「冷えるっていうわよ」
「それは聞いていても」
「飲むのね」
「もう他の選択肢はロシアにないから」
「そこ本当にロシアね」
ウェンディもこう述べた。
「それでも飲むっていうのが」
「そうでしょ、面白い国でしょ」
「確かに面白いわね」
ウェンディも否定しなかった。
「そうしたところは」
「そうでしょ、それでロシア人は陽気だし」
「それお酒入ってるからだよね」
ルシエンも核心を指摘した。
「やっぱり」
「ええ、お酒が入るとね」
「それでだよね」
「陽気になるのよ」
「やっぱりそうだね」
「しかもいつも飲んでいるから」
その為にというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ