第六十四話 阿波野君と先輩その九
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「私もりっぷくします」
「そこをね」
何とかという口調でした、先輩の今の言葉は。
「気をつけてね」
「そうですか」
「それでね」
「阿波野君と先輩のお話をですね」
「見ていてね」
「わかりました」
「ちっちってね」
どうしてもと言う先輩でした。
「結構気が短い方かも知れないし」
「そこは自覚しています」
私自身のことだからです、とはいってもそのことに気付く人は少ないです。先輩もひょっとしたらという口調でした。
「私も」
「だったらそのことも自覚して」
そうしてというのです。
「私があの子に私のこと言ってね」
「阿波野君が何言ってもですか」
「りっぷくしないでね」
「そうですか」
「何があっても」
私に念押ししてきました。
「いいわね」
「そこは、ですね」
「気をつけてね、じゃあね」
「待っていますね」
先輩にと電話越しにお別れの挨拶をして私は先輩とのお話を終えました、そして阿波野君にも連絡をしてお母さんにもお話しましたが。
お母さんは私に難しい顔で私に言いました。
「先輩のしたことを彼が知ったらね」
「よくないわよね」
「絶対にりっぷくしてね」
そしてというのです。
「前以上に嫌うわね」
「先輩のせいでおみちを嫌いな人が出来たから」
「千里の先輩だけに責任がある訳じゃないけれど」
それでもというのです。
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