シーン22
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桜があちこちの家からちらほらと咲き始めていた。最近は家にいたすずりチャンが、今朝はあの細いリボンの服でソファーに座っていた。何も話さない、ミルクティーを黙って飲んでいた。お父さんとお母さんは朝出掛けて行った。かけるは庭でボール遊びをしている。「良し行くぞー」と言って俺をなでながら、「プチ 君に神通力があったら力貸してほしいとか・・・」猫の力を使うのは今では無いぞと俺は感じた。。すずりチャンは出掛けて行った。
どれぐらい時間が経っただろうか、その時、おれは庭寄りの窓際で日差しを浴びながら寝ていた。バタバタっとすずりチャンが帰ってきて、いきなり俺を顔まで抱き上げて、「受かった受かったよ」って言って、ほおずりし始めた。俺はそのほっぺをペロペロした。いつもの柔らかな匂いが心地よかった。かけるも二階から降りてきて、「お姉ちゃんおめでとう」と駆け寄ってきた。
夕方近く、お母さんが帰ってきて、すずりチャンに駆け寄って、「お店の女の子も喜んでくれて、ケーキを買ってきてくれて早く帰ってお祝いしてくださいって言ってくれたから、厚いお肉も買ってきたわよ。お父さんも早く帰って来るって、ステーキでお祝いしましょ。すずりがお店に寄った時、受かったって聞いたらお母さんうれしくて涙が出てきてしまったわ。なずなチャンも一緒で本当によかったわネ。」その様子を見ていた俺は猫でありながらも幸せな気持ちになっていた。おカアチャン俺の分も肉あるのかなぁ・・・。
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