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猫のきおく
シーン20

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 朝がきた。すずりチャンは夜どおし起きて机に向かっていたようだ。ときおり、窓を開けて大きく両腕を伸ばして思いっきり息を吸い込んで・・・ベッドで寝ている俺の頭をなでて、又、机に向かっていた。

 その日の朝の食事はみんながソファーに揃っていた。すずりチャンは顔を洗って俺と最後に行ったんだけど、お母さんは着物姿だった。お父さんが「明けましておめでとう」と言って、皆が口々に「おめでとう」と言っていた。飲み始めたお父さんは、「すずりとかけるは上の学校に行くし、お母さんはお店を任せられるし、お父さんの事務所は移転するし、今年はみんなが頑張る年だなー」又、コップについで飲んでいた。机の上には色んなものがのっていて、すずりチャンとかけるが時々俺にも分けてくれた。

 ある程度食べ終わった頃、お母さんが「みんなで初詣に行ってお願いしょ」って言い出した。お父さんも「そうだなぁー」って言ったけどすずりチャンは黙っていた。お母さんは追いかけるように、「ねぇーすずり、着物をきてほしいのよー・・・」すずりチャンは 「ごめんなさい、自分で頑張って合格するから、着物は受かったらその後お礼に行く時に着てゆくから・・・」

 結局、三人で出掛けたみたいだった。残ったすずりチャンはますます気が高まっているみたいだった。で、「プチ シャワーするよ」って連れていかれた。とんだとばっちりだったが、お湯をかけながら、「共同体だょ」ってすずりチャンがつぶやいた。でも、出た後はたぶん寒いだろう・・・

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