暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第79話:狩る者と狩られる者
[4/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
った。どの道この場所はもう使えないのだし、無駄な労力を割く必要は無いと考えたのだろう。
逃げていった特殊部隊の残りに背を向け、エアキャリアに戻ろうとするソーサラーだったがその彼の耳に逃げた筈の特殊部隊隊員の悲鳴が聞こえてきた。
「Nooooo!?」
「Help, help!?」
「ッ!?」
まさかと思いソーサラーが倉庫の外に出ると、そこでは生き残った特殊部隊の隊員がノイズによって炭素分解されたところであった。
やったのはウェル博士。彼は戦闘の最中に出てきて、逃げる隊員達を確実に仕留めに掛かっていたのだ。
ウェル博士の行動にソーサラーは溜め息を吐くが、次の瞬間彼はとんでもないものを目にした。
騒動を聞きつけてか、どこからか子供が3人倉庫に近付いてきてしまっていたのだ。
それだけならまだ良かったが、問題なのはウェル博士がその少年達にソロモンの杖を手に近付いている事だった。
ソーサラーからは見えないが、ウェル博士の子供達を見る目は氷の様に冷たい。
そのウェル博士の尋常ではない目をカメラ越しに見たマリアが、悲鳴のような声を上げた。
『止めろウェルッ!? その子達は関係ないッ!? 止めろぉぉぉぉぉぉッ!!?』
「ッ!?」
通信機からマリアの悲痛な声を聴いたソーサラーは、ウェル博士が子供達を殺めようとしている事に気付き彼を止めるべく走り出す。
しかしソロモンの杖から放たれたノイズは無情にも子供達へと向かって行き――――――
「くっ!? ハァッ!」
子供達がノイズに炭素分解される直前、彼らの前に全身ローブの1人の女性が立ち塞がった。アルドだ。あわやと言う所で現場に到着した彼女は、ハーメルケイン・レプリカでノイズを受け止め、切り払い逆にノイズを消滅させたのである。
目の前で目まぐるしく変わった状況に、理解が追いつかず呆然とする子供達。だが振り返ったアルドが少年達を叱るように声を掛けた事で、自分達の身に危機が迫っていた事を理解した。
「今の内です、逃げなさい! 早くッ!!」
「あっ!? う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
大慌てで逃げ出す子供達を見送り、アルドはウェル博士・ソーサラーと対峙した。
「おやおやおや? 要注意人物が来てしまうとは思いませんでしたよ」
「貴方、正気ですか? 何故あんな子供達まで?」
米兵はまだ分かる。非情かもしれないが、生かして返せば面倒な事になるかもしれない。ある意味で米兵を誰一人逃がさないのは合理的だ。
だが子供達は話が別だ。幾ら目撃者とは言え、子供達を犠牲にする必要があったとは思えない。彼らには何の力も無いのだから。
「何故と言われましてもねぇ? 英雄の辿る道に、犠牲は付きものでしょう?」
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ