暁 〜小説投稿サイト〜
猫のきおく
シーン16

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 夕方になって、庭に面した窓を開けて外に机を置いていた。お父さんがその上で大きな肉を焼いていた。その他、野菜とか何か貝が載っている。部屋ん中の窓際に机を移動して、今日はみんなが揃っている。

 さっきから、ワイワイと何か話をしたりしていた。俺は、近くのソファーに座り、その様子を眺めていたが、ずいぶんといい匂いがしてきている。お父さんが、焼けたよっていいながら、最初に貝みたいなものを、庭先からみんなにお母さんが手渡ししていた。みんなは黙って食べていたけど、お父さんが厚みのある肉をまな板に載せて切り始めて、取り分けたら、口々においしいーっとほおばっていた。すずりチャンは気づいたように、俺のほうにも切り分けて差し出してくれた。少し赤い汁がにじんでいる。おいしいーフニャフニャとうなった。お父さんもうれしそうに、「そうかプチ かぼちゃもあるぞー」と・・・。えぇー前は成り行きでにんじん食べたけど、もうごめんだよー。おかあさんは「よしなさいよ」って言ってくれたけど、すずりチヤンは肉の汁をつけて、そのかぼちゃも取り分けて差し出してきた。仕方なしに食べてみたが、やわらかくてまぁまぁだった。

 食事が終わったのか、かけるはお風呂にいったみたい。すずりちゃんとお母さんは、臭いがするとかで窓を開けて扇いだり、洗いものをしたり忙しそうに動き回っていた。お父さんはソファーで何か飲みながら伸びている。俺は、それでお父さんの膝の上にのってゆくとやさしく頭から身体をさすってくれた。初めてのことだ。お母さんがそれを見て、「ヘェー」と少しおどけてみせた。

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