第四話 家でこっそりとその六
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「私歌うのよ」
「そうだったの」
「いいと思った曲はね」
それこそというのだ。
「何でもなのよ」
「そうなのね」
「オペラの曲もあるし」
「あっ、あるわね」
咲は曲の入力ナンバーが書かれたファイルにクラシックも観て言った。
「何か」
「そこに乾杯の歌とかあるでしょ」
「ええと、ヴェルディって」
その作曲者の名前も観て言った。
「教科書に出てたわね」
「音楽のね」
「椿姫って」
「そのオペラの曲もね」
「歌うの」
「それデュエットだから」
二人で歌う曲だというのだ。
「だからね」
「歌うのなら」
「一緒に歌おうね」
「わかったわ、それとだけれど」
咲は座ってカルピスサワーを飲んだ、それで言った。
「確かに甘くてね」
「美味しいでしょ」
「ええ、今度はね」
メニューを見て言った。
「オレンジサワーをね」
「飲むのね」
「そうしていい?」
「ええ、私も私で頼むしね」
愛は歌を入れつつ言った、入れたのはその乾杯の歌だった。
「注文したらいいわ」
「それじゃあね」
「それとね」
愛はさらに言った。
「カルーアミルクもね」
「このお酒もなのね」
「飲んだらいいわ」
「そのお酒も甘いの」
「かなりね、だから甘いものが好きなら」
それならというのだ。
「飲んでね」
「それじゃあね」
咲は頷いて二人で一緒に注文した、そしてデュエットの曲も歌った。それからオレンジサワーも飲んでだった。
そこからも飲んだ、そして十杯程飲んだが。
咲はここでこんなことを言った。
「何か少しね」
「酔った?」
「ええ、甘いお酒っていいわね」
「そうね、ただ咲ちゃん強いわね」
「そうかしら」
「ここのお酒強めなのよ」
このことを言うのだった。
「そうなのよ」
「そうだったの」
「けれど十杯飲んで」
「平気だけれど」
「それは強いわね」
「まだまだ飲めそうな感じよ」
咲は実際に今飲んでいるライチサワーをジュースの様に飲みつつ答えた、ロックがあっという間になくなった。
「これ位はね」
「咲ちゃん酒豪だったの」
「そうかしら」
「叔父さんか叔母さんよく飲むの?」
「お父さんウイスキー一本空けて平気よ」
「ああ、それは結構な」
愛は自分にとって叔父にあたる咲の父の話を聞いて述べた。
「じゃあ叔父さんの血ね」
「そうなの。お母さんもそれ位だけれど」
「じゃあ両親の血ね」
愛は自分の言葉を訂正して述べた。
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