第四話 家でこっそりとその一
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第四話 家でこっそりと
四月に入り入学式が間近に迫ってきていた、その中で咲の母は愛が家に来た時に姪である彼女にどうかという顔で言った。
「今日もね」
「お洒落でしょ」
「それは派手って言うの」
こう言うのだった。
「愛ちゃんの場合はね」
「こういうのがいけてるのよ」
「どう見てもギャルじゃない」
それもかなり派手な部類のというのだ。
「どう見ても遊んでる娘よ」
「実際遊んでるしね」
「そうよね、まあ悪い遊びはしてないから」
「いいわよね」
「相変わらずカラオケとかショッピング行ってるのね」
「そうよ、それでお酒もね」
こちらもというのだ。
「飲んでるわよ」
「そっちは程々にしなさいね」
「私お酒強いけれどね」
「それでもよ」
酒のことはというのだ。
「あまりね」
「飲まないことね」
「飲み過ぎは毒だから」
「よく言うわよね」
「事実そうだから」
姪にさらに言った。
「愛ちゃんもお酒はね」
「程々っていうのね」
「それでね」
「ファッションはっていうのね」
「全く。いつも派手なんだから」
あちこちにアクセサリーを付けてかなり短いスカートに赤いストッキングのそれを見て言うのだった。上着のシャツもかなり目立つ柄だ。
「傾奇者じゃないのよ」
「前田慶次さん?」
「そうよ、そうした感じじゃない」
「それはいいわね」
「何処がいいのよ、傾奇者じゃなくてね」
姪にムッとした顔で話した。
「普通にお洒落じゃないの」
「私そういうの好きじゃないから」
「全く。昔からそうなんだか」
「それじゃあガングロはどうかな」
「好きにしなさい。それで今日はどうして来たの?」
「咲ちゃんいる?」
愛は叔母に問うた。
「遊びに誘いに来たけれど」
「咲は今本屋さんに新刊買いに行ってるわよ」
「そうなの」
「もう少ししたら帰って来るわ」
「帰って来たらね」
愛はそれならと言った。
「一緒にカラオケにね」
「誘うの」
「そう、それでお酒もね」
「咲まだ未成年でしょ」
母として言った。
「駄目でしょ」
「まあ十五歳だし内緒ってことで。それに咲ちゃんも飲んだことあるでしょ」
「親戚の集まりの時にこっそりね」
「だったらいいってことで」
それでとだ、愛は笑って言った。
「煙草じゃないんだし」
「愛ちゃん煙草は吸わないわね」
「好きじゃないのよね、煙草は」
愛はそれはと答えた。
「だからね」
「吸わないのね」
「叔母さんも叔父さんもでしょ」
「ええ」
愛にその通りだと答えた。
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