最終章:無限の可能性
第293話「平和に向かって」
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リンディ達もそれを理解していた。
だからこそ、理不尽な仕打ちとまではいかない責任の取らせ方にしたのだ。
過労にはなるかもしれないが、それ以外には特にないのだから。
「とりあえず、まずは地球からね」
「私達も手伝うよ。乗り掛かった舟だしね」
「ありがとう」
早速、優奈は物資の創造に取り掛かる。
運搬や整理などは司達が担当し、手際良く物資を生産していった。
「よっ……と」
行動の方針が決まってから数日後。
復興も始まり、神々は既に肉体の補填のために各地に向かっていった。
優奈の物資創造も安定してきたのか、緋雪達も別行動していた。
「さすが雪ちゃん。大きな瓦礫も軽々だねぇ」
「力には自信があるからね」
緋雪は椿と葵を引き連れ、瓦礫の撤去を行っていた。
いずれは理力によって元に戻るが、それでも大通りなどの瓦礫はどけておいた方がいいため、緋雪達はいくつかのグループに分かれて作業している。
「これも、これもこれも……ほいっと」
「地面も罅割れちゃってるから、車とかも走れないよね」
「そもそも、肝心の車が使い物にならないのばかりじゃない」
「それもそうだね。基本的に移動は徒歩だから、あたし達から出向かないと」
戦いの余波は酷いもので、徒歩以外の移動手段が使えない程だ。
緋雪達のように魔法や霊術が使えるならばともかく、一般市民は身動きが取れない。
連絡網も地球では各国家の主要人物の場所までしか行き届かないため、どうしても一つ一つの街は孤立した状態になっている。
そのため、緋雪達から出向いて復興の手伝いを行っている。
「とりあえずはこれだけ集めればいいんじゃない?」
「そうだね。じゃあ……」
―――“破綻せよ、理よ”
ある程度集めた瓦礫を、緋雪が“破壊の瞳”で消し飛ばす。
どうせ後で理力を用いて創り直すのだ。
残骸はあるだけ邪魔なので、こうして消し飛ばしている。
「ここと、ここと、ここね」
一方で、椿は神力を使って木々を再生させていた。
街が壊滅したとはいえ、木々の根までは吹き飛ばされていなかった。
そこから権能と神力を使う事で、再生させていたのだ。
「じゃ、次の区画だねー」
「オッケー」
事が済めば、すぐに緋雪達は次の場所へ向かう。
その街にいる人々との交流は最低限だ。
それは緋雪達の役目ではなく、飽くまで瓦礫の撤去や自然の復元が目的だ。
だからこそ、テキパキと次へと向かう。
「待ちなさい。先に連絡を送ってからよ」
「あっ、ごめんごめん」
「まったく……」
椿が
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