最終章:無限の可能性
第293話「平和に向かって」
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事にした。
「……これ……」
その時、優香が瓦礫の中からある物を見つけた。
「写真か。………」
それは家族で撮った写真だ。
今はいない優輝が映っているため、優香も光輝もそれを見て思わず無言になっていた。
「……なんなら、それも持っていきましょう」
「……そうだね」
思う所はあるが、それ以上誰も写真や優輝の事を言わなかった。
何はともあれ、物資はいくらか確保したため、緋雪達は拠点に戻る事にした。
「並んで順番は守ってくださーい!」
「慌てなくても人数分は用意します!」
緋雪達が戻ると、そこには炊き出しを待つ列のようなものがあった。
辿ってみると、そこには優奈と司が食料を配っていた。
聡や玲菜などの友人は列の整理を手伝っているようだ。
「これは……?」
「あ、緋雪ちゃん。これはね……」
食料を配りつつ、優奈が創造魔法で食料を配っていると司が説明する。
見れば、優奈が一つ一つ実際に創造していた。
「私達が持ってきた意味は……」
「意味ならあるわ。というか、出来ればそれも配ってちょうだい!」
現在、緋雪達が持ってきた物資は拘束系の魔法と霊術で一纏めにしてある。
それも出来れば配ってほしいと、優奈が食料を創造しながら言った。
「了解!」
「“意志”次第で魔力は絞り出せるけど、手間がかかるわ。これ……!」
優奈は物資を創造するにあたって出来るだけ配る相手の要望を叶えている。
さすがに無駄に手の込んだ料理とかは出せないが、それでもストレスを感じないように希望に沿ったものを出しているのだ。
当然、そんな事をすれば手間は増え、優奈だけでは人手が足りない程だ。
「単純な保存食でいい人はそっちを配るようにするわ」
「なるほど。お父さん、お母さん!」
「よし、俺たちも手伝おうか」
「そうね」
すぐに緋雪達も物資の配給に参加した。
「これで一通り終わったかしら……」
約一時間後。優奈達の拠点にいる一般市民に全て物資を供給した。
途中、物資調達に出かけていた者達も戻り、物資にはある程度余裕が出来た。
ただし、やはり希望通りの食料を出してくれる優奈が人気だったため、優奈の負担は全く下がる事はなかったが。
「お疲れ様」
「負けられない戦いとかじゃないから、“意志”で補いきれないわ。この疲れは」
「途中から、私の“祈り”で疲労回復を掛けてたからね……」
苦笑いしながら、先ほどまでの話をする優奈と司。
そんな彼女達の下へ、ルフィナとミエラがやってきた。
「優奈様、皆さん、会議が終わったようです
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